日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は2009年11月2日、x86サーバーに内蔵でき、従来の半導体ドライブ(SSD)と比較して、1秒間の入出力処理速度を約25倍に向上させた拡張ボード型SSD「High IOPSソリッド・ステート・ドライブ(PCI-E)」を発表した。
「High IOPSソリッド・ステート・ドライブ(PCI-E)」は、48個のNAND型フラッシュメモリと制御用チップを拡張ボードに搭載し、1枚で160GBまたは320GBの容量を備えるSSD。同社のx86サーバーである、IBM System x3650 M2/x3850 M2/x3950 M2/iDataPlex dx360 M2内のPCI-Expressスロットに搭載可能で、価格(税込み)は、160GBが102万9,000 円、320GBが144万9,000 円。
同製品の入出力処理数は1秒間あたり10万7,000回で、従来のSSD製品の約25倍、HDDの約250倍の入出力処理能力とのこと。また、入出力処理あたりの消費電力はHDDの約1/150であり、消費電力およびCO2排出量の削減が可能になる。
同社によれば、同製品は、ストレージに対して高速なデータの読み書きを必要とするアプリケーションに向いている。たとえば、入札期限間際のオークションや商品発売時の注文ページなどで一時的なアクセスの集中が予想されるWebサイトのバックエンド・データベース・システムのストレージには、容量よりも、高い入出力性能が求められる。
そうしたシステムの構築において同製品を1枚搭載すると、HDD約250個分の入出力処理性能が可能となり、導入コストが約1/10に削減されるとしている。また、多数のHDDを搭載したストレージシステムを接続している場合、同製品を活用することにより、データベースの構成を変えずにシステムを移行でき、ストレージの設置スペースを削減可能としている。