プライスウォーターハウスクーパースとSAPジャパンは2010年3月24日、SAPのアプリケーションを基盤にアステラス製薬の新しい「サクセッションプランニング」(後継者育成計画)システムを構築したことを発表した。2009年10月から導入し、全機能での本格稼働が2010年4月1日より開始する。
アステラス製薬では、中期経営計画で掲げるグローバル人事・組織整備の実現に向けた取り組みの1つとして、グローバル経営を行う上で核となる、役員や部長などの「グローバルマネジメントポジション」(コアポジション)に対し、サクセッションプランニングを展開するための人事基盤の構築が求められていたという。そこで、既存の人事システムであるSAP ERP Human Capital Managementとの親和性が高く、現存する人事情報を効率的に利用可能なソリューションとして「SAP Talent Visualization by Nakisa」(以下、SAP Talent Visualization)を活用した新たなサクセッションプランニングシステムが構築された。
SAP Talent Visualizationは、コアポジションの管理、後任者計画、組織改編計画、人事分析など、人材の活用を支援するアプリケーション。アステラス製薬に存在するコアポジションや後継者候補の情報を一元的に管理できるほか、最適な人材情報を抽出するためのキーワード検索や、選択された人材群をタレントグループ(人材プール)として一括管理することが可能。また、ユーザーの視点に立った画面デザインは、経営層による直接の操作と、サクセッションプランニングへの積極的な関与を促進可能にする。
同プロジェクトでは、製品・ベンダーの信頼面、機能面、技術面での評価、およびアステラス製薬の人事業務プロセスとIT環境との親和性によりSAP Talent Visualizationが採用されたとのこと。システム導入においては、グローバルでの人事情報システムの導入や業務改革コンサルティングの経験と実績が評価され、プライスウォーターハウスクーパースが基本構想の策定、要件定義、システム設計・開発、運用サポート、およびユーザートレーニングを担当した。
プライスウォーターハウスクーパースとSAPジャパンは今後、アステラス製薬のグローバル規模での人材管理に対しても積極的に支援していく。
プライスウォーターハウスクーパース
http://www.pricewaterhousecoopers.co.jp/