日本オラクルは2010年4月8日、製造業や消費財業界向けに需要管理アプリケーションの最新版「Oracle Demantra 7.3(オラクル・デマントラ7.3)」の提供を同日より開始すると発表した。「Oracle Demantra」は、市場・顧客の需要情報をもとに精度の高い需要計画の立案と、製販計画を最適調整する製品である。
「Oracle Demantra」は、販社や顧客からの需要情報と過去の販売実績に基づき、事業別、地域別、製品別等の視点から、複合モデルと学習機能をもったベイジアンアプローチ(分析手法)の予測エンジンで需要を予測する。また、同エンジンを活用し、販促計画を立案して確実な需要形成を実現する。さらに、変化した需要に対して供給を最適化するために、販売・生産・調達・物流・財務などの各担当部門間のコラボレーションを自動化して製販計画調整活動(S&OP)の迅速化を可能にする。
「Oracle Demantra 7.3」の強化ポイントは次のとおり。
需要管理機能の強化
- 需要予測エンジンの処理速度の向上により、新製品や新拠点の需要予測の性能を強化。
- オプション製品別の需要管理機能の追加により、受注生産品(Configure-to-Order: CTO)の需要予測を実現。
- 新製品や新拠点の需要予測への最適なモデル生成。
対応言語の拡充
- 英語に加えて日本語、韓国語、ロシア語、中国語、ポルトガル語、スペイン語、フランス語に対応。
インテグレーションの強化
- オラクルの予実管理アプリケーション「Oracle Hyperion Planning(ハイペリオン プランニング)」とのSOA連携が実現。財務情報と製販情報を統合的に管理することが可能。
- 需要情報分析アプリケーション「Oracle Demand Signal Repository(デマンド シグナル レポジトリ)」とのデータ連携を実現。製造や販売の現場から収集・分析した需要データの取り込みが可能。
「Oracle Demantra 7.3」のモジュール構成は次のとおり。
「Oracle Demantra Demand Management」(需要予測:基本モジュール)
ベイジアンアプローチによる需要予測、需要分析、コラボレーション、ワークフロー。
「Oracle Demantra Advanced Forecasting and Demand Modeling」(オプション)
高度な需要予測(クロス相関、無制限原因要素等)と需要分析(シェープモデリング等)。
「Oracle Demantra Real-time Sales and Operations Planning」(オプション)
需要計画をベースに、営業・財務・調達・生産・物流の製販計画の調整・最適化。S&OP(Sales & Operations Planning:販売・業務遂行計画)と呼ばれる。
「Oracle Demantra Predictive Trade Planning」(需要形成:基本モジュール)
プロモーション計画・シミュレーションと効果分析・シナリオ再採算性評価。
「Oracle Demantra Deduction and Settlement Management」(オプション)
プロモーション条件で顧客(小売業者)パフォーマンスをもとに控除と支払を消し込み。
「Oracle Demantra Trade Promotion Optimization」(オプション)
ROIを最大化する最適なプロモーションを提案。
「対応プラットフォーム」(Windows, Solaris, AIX, HP-UX, Linux)
日本オラクルでは今後、製造業向けには日本IBMと、消費財業界を含む製造業界向けにはアクセンチュアと、共同でコンサルティングサービスとソリューションを提供していくとしている。