テラスカイは2010年9月16日、Salesforce CRM向けの画面作成ツール「SkyEditor2」を開発。10月に提供開始すると発表した。これは、Salesforceの画面をユーザー自身がノンコーディングで自由にレイアウトするためのSaaS型ツールである。
Salesforce CRMの標準画面は、最大2列のデータ表示、固定フォントといった制約がある。従来、こうした画面レイアウトを変更するには、「Visualforce」と呼ぶ独自言語を用いてコーディングする必要があった。このため、ユーザー企業が自社のニーズに合った画面を作成するにはベンダーに開発を依頼しなければならなかった。「なかには、そうした外部委託にかかるコストや期間を抑えるため、使いにくさを我慢して標準画面を使っているユーザーもあった」(テラスカイの佐藤秀哉社長)。
SkyEditor2により、Visualforceの知識がないユーザー自身が業務に合った画面を作成できるようになる。同ツールは、大きく2つの要素から成る。
画面作成は、テラスカイがAmazon EC2上に構築した「SkyEditor2スタジオ」と呼ぶ環境で実施する。このスタジオは、テーブルやボタンといった機能部品を提供。ユーザーが必要な部品をドラッグ&ドロップで配置した画面から、Visualforceのコードを自動生成する。このほか、ユーザー企業からの開発ニーズが高い検索画面についてはテンプレートを用意。ウィザード形式で作成できるようにする。顧客の企業情報と担当者情報など、親子関係にある複数オブジェクトデータを同時に登録するためのテンプレートもある。
もう1つの要素は、「SkyEditor2 AppExchange」である。これは、スタジオで作成した画面をSalesforce上で実際に利用可能にするためのモジュールである。ユーザーは、このモジュールをSalesforceのマーケットプレイスであるAppExchangeで購入し、Salesforce上の自社のインスタンスに別途インストールする。
利用料金は、画面を利用するユーザー1人あたり月額2000円。このほか、初期費用が100万円かかる。ボリュームディスカウントにも応じ、1企業当たりの月額料金の合計は100万円を上限とする。スタジオの利用は無償。作成する画面数にも制限はない。
テラスカイはSkyEditor2を、2011年2月までに50社に導入し、4000万円売り上げることを見込む。2011年には、英語版を提供開始する計画という。
画面1:「SkyEditor2スタジオ」による画面作成例。左の一覧から機能部品をマウスで選択して配置することで、Salesforceの画面を自在にレイアウトできる