日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2010年1月7日、iSCSIを利用した仮想化ストレージ「HP StorageWorks P4000 G2 SANソリューション(以下、P4000 G2 SAN)ファミリ」を大幅に機能拡張し、同日より機種ごとに随時販売、出荷開始することを発表した。
今回の機能拡張モデルでは、初のメジャーバージョンアップとなる最新OSソフトウェア「SANiQ9.0」を搭載し、仮想化環境へのさらなる最適化を図ることで、顧客のストレージ管理工数の削減や、運用性の向上を実現する。
今回発表された主な新製品の概要は以下のとおり。
- HP StorageWorks P4500 G2 7.2TB
価格(税込):302万4,000円 - HP StorageWorks P4500 G2 14.4TB
価格(税込):577万5,000円
同製品の特長は以下のとおり。
- 運用性の向上
機能拡張により、HPのサーバー統合管理ツール「HP Systems Insight Manager ver.6.2(HP SIM)」と連携し、監視が可能。HP SIMとの連携によってブレードサーバーなどとのシステム全体の運用管理ができるようになった。また同時に、HP 通報サービスが利用可能となり、各サーバーやストレージの診断ツールにより検知された障害情報のうち、保守対応を必須とする情報をHPに自動通報することが可能。これにより顧客は連絡の手間が減るだけでなく、障害の未然防止や障害復旧の時間短縮が可能となる。さらに、管理ツール「CMC」の日本語化によって、使い勝手が良くなり、運用管理効率の向上を支援する。 - 性能の向上
ストレージボリュームにアクセスするためのセッション方式として、既存のHP独自の方式であるP4000 DSM for MPIO(LEFTHAND DSM for MPIO)に加え、Windowsがもともと持っている方式であるMicrosoft DSMを使用できるようになった。これにより、顧客の環境に応じたセッション方式の選択が可能となる。また、サーバークラスター環境等におけるボリューム当たりのセッション数を256までに拡張し、大規模なクラスター環境にも対応できるようになった。 - バックアップ機能の向上
「VMware vSphere 4.1」で提供されるストレージ機能「VAAI」をサポートし、バックアップによるネットワークの負荷を軽減。従来のように一度ハイパーバイザ側でデータ複製処理を行うのではなく、ストレージに対して特定領域のコピー命令を発行するため、物理なホストサーバーとストレージ間を流れるデータトラフィックが大幅に削減され、結果的にサーバー側で消費されるCPUや処理時間の短縮を図ることができる。このほか、SANiQの異なるバージョン間でのリモートコピーに対応、ローカル帯域幅とリモートコピー帯域幅の設定の干渉を防止、コマンドラインでスケジュールスナップ/リモートコピーが設定可能、などの機能向上を行っている。 - 可用性の向上
仮想化環境に必須の可用性を確保しながら容量効率を向上できる「ネットワークRAID」機能を拡張。従来のデーターミラーリングに加え、パリティデータを使ったネットワークRAID5とRAID6にも対応し、可用性と容量利用効率の向上を両立させた。
日本ヒューレット・パッカード
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