インテルは2011年4月6日、サーバー向けプロセサの最新版「インテル Xeon プロセッサー E7 ファミリー」を発表。それに伴い、ハードウェアベンダー各社から新製品の投入が相次いだ。仮想環境を見据えたプロセサコア数の増加や、省電力化が目玉だ。
[プロセサの特徴]
80コアマシンを実現
インテル Xeon プロセッサー E7 ファミリーは、複数のプロセサを積載するマルチソケットサーバー向けプロセサ。「同7500番台」の後継製品だ。
サーバー仮想化で課題となるプロセサコア数やメモリー容量の増強が主な強化点だ。プロセサコア数は、7500番台の最大8個から最大10個に増加。8ソケットモデルの場合、1サーバーあたり最大80コアを実現できる。メモリーの最大容量は、4ソケットモデルの場合、7500番台の1TBから2TBに拡張した。
[主要製品]
省電力化を支援
E7ファミリーの登場に伴い、各ハードウェアベンダーが相次ぎ搭載サーバーを発表した(表)。東日本大震災に伴う電力不足の懸念を受け、消費電力の削減支援機能を搭載する動きが広がっている。E7シリーズ自体にも、負荷状況に応じて待機電力を動的に削減する「インテル インテリジェント・パワー・テクノロジー」といった省電力機能が備わるが、各社は電力管理ソフトウェアの搭載でこれを補強する。
日本ヒューレット・パッカードの「HP ProLiant DL580 G7」は、サーバー消費電力の上限を任意に設定できる電力管理ツール「HP Dynamic Power Capping」を搭載。日本IBMの「IBM System x3850 X5」は、電源の消費電力監視/制御ツール「IBM Systems Director Active Energy Manager」を備える。同様のツールは富士通の「PRIMEQUEST 1400/1800シリーズ」も搭載する。
[E3ファミリー]
vPro対応版も登場
シングルソケットのエントリーサーバー向けプロセサ「インテル Xeon プロセッサー 3600 番台」の後継版である、「同E3 ファミリー」も登場した。
新たなプロセサアーキテクチャである「Sandy Bridge」を採用し、3600番台に比べ、処理性能を最大30%向上させた。ワークステーション用のモデルは、運用管理支援機能である「インテル vPro テクノロジー」を利用可能にした。搭載サーバーは、HPCテクノロジーズ、システムワークス、デル、日本コンピューティングシステム、日本HPなどが既に販売している。 (鳥越)