[事例ニュース]

ネット広告のマイクロアドが行動履歴分析基盤に米Pivotal製Hadoopを採用

2014年2月4日(火)志度 昌宏(DIGITAL X編集長)

インターネット広告大手のマイクロアドは、Webサイト訪問者の行動履歴を分析するためのプラットフォームに、米Pivotalが提供するHadoopディストリビューションである「Pivotal HD Enterprise」と、同上でのSQL処理を実現する「HAWQ(ホーク)」を採用した。従来の分析基盤と比べ、処理速度が20倍に高まるという。2014年2月中にも本番稼働させる。米Pivotal日本法人が2014年2月4日に発表した。

 マイクロアドは、インターネット広告の広告主とメディアをマッチングさせるための広告プラットフォームと、配信用の広告ネットワークを構築・運用している。2013年11月には、米Red Herringが選ぶ「革新的なテクノロジ・ベンチャー企業100社」として『2013 Red Herring Global Top 100』を受賞している。

 今回刷新するのは、特定のユーザーに広告を配信するターゲティング広告の配信に必要なWebサイト訪問者の行動履歴を分析するための基盤。これまで利用してきたOSS(Open Source Software:オープンソース・ソフトウェア)の「Hive」ベースを、米Pivotal製品ベースに切り替える。2014年2月中にも本番稼働させる予定である。

 刷新の理由は、日々取り扱うデータ量が数百TB(テラバイト)以上に増えており、必要な処理能力が高まってきたこと。Pivotal製の基盤に切り替えることで、処理能力は約20倍に速まるという。基盤の移行に伴い、同社が使ってきた分析用のパッケージ・アプリケーションの変更が不要なことも、Pivotal製品採用の決め手の1つになった。

 採用するPivotal製品は、Hadoopディストリビューションの「Pivotal HD Enterprise」と、Pivotal HD上でのSQL処理を実現する「HAWQ(ホーク)」の2つ(図)。Pivotal HDは、OSSのApache Hadoopをベースに、一元的な構成管理や、仮想基盤上のHadoopを最適化する機能を追加している。

図:「Pivotal HD Enterprise」と「HAWQ」の構成概要

 一方のHAWQは、Pivotal HD上で稼働するSQL対応のデータベースエンジンである。並列処理データベース「Pivotal Greenplum Database」の技術を適用することで、既存のSQL対応アプリケーションからもHadoopに代表されるビッグデータ処理を可能にする。

 なおPivotalの日本法人であるPivotalジャパンは2014年2月4日から、「Pivotal HD Enterprise」と「HAWQ」の国内販売を開始している。利用料は1ノード当たり、Pivotal HD Enterpriseが年間27万2550円(税別)、HAWQは年間74万9100円(同)である。HAWQはPivotal HDのオプション製品のため、単体では利用できない。いずれも買い取り形態でも提供される。

ユーザー名 マイクロアド
業種 インターネット広告配信
導入システム ビッグデータの分散管理ソフトHadoopを使ったWebサイト訪問者の行動履歴分析用基盤
導入目的 分析対象データの増加に伴う処理性能の確保
導入時期 2014年2月予定
主な利用製品 Hadoopディストリビューションの「Pivotal HD Enterprise」と、Pivotal HD上でのSQL処理を実現する「HAWQ(ホーク)」(いずれも米Pivotal製)

 

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