ふくおかフィナンシャルグループ傘下の福岡銀行、熊本銀行、親和銀行は2014年4月、渉外担当者向けの仮想デスクトップ基盤を稼働させる。必要に応じてタブレット端末から行内システムにアクセスできる環境を整え、営業活動を行動化するのが狙い。端末の総数は約2000台となる。構築を担当する富士通が2014年2月20日に発表した。
グループ3行はこれまで、セキュリティの観点から行内システムを外部から利用できないようにしていた。銀行業として、情報流出や不正アクセスは絶対に許されないからだ。もっとも、顧客起点で考えるなら、訪問時に1人ひとりのニーズを聞き、必要とあらば現地から行内システムにアクセスして顧客情報に基づいた提案を実践できるのが望ましい。
情報活用による渉外活動の高度化と、セキュリティの確保。これらを両立させる方策として、3行は仮想デスクトップ技術の導入を決めた。仮想デスクトップは端末にデータが残らないので、紛失や盗難による情報流出を防げる。
新システムは、データをダウンロードすることなく行内システムを参照可能にする。渉外担当者は訪問先で、顧客の取引履歴や資産の運用状況などを参照しながら、最適な商品やサービスをその場で提案できるようになる。
仮想デスクトップ技術のほかにも、セキュリティ強化策を複数施している。渉外担当者に配布するタブレット端末は、手のひら静脈認証センサーを内蔵。担当者は、そこからインターネットを経由しない閉域網を通じて仮想デスクトップ基盤に接続する。さらに、タブレット端末と行内システムの間でやりとりするデータはすべて暗号化する。紛失・盗難の際にリモートで端末を初期化するMDM機能も備える。
ユーザー名 | ふくおかフィナンシャルグループ |
業種 | 金融 |
導入システム | 仮想デスクトップシステム |
導入目的 | 営業支援 |
導入時期 | 2014年4月 |
主な利用製品 | 「FUJITSU Managed Infrastructure Service FENICSⅡ」(専用ネットワーク)、「FUJITSU Security Solution FENCE-Mobile RemoteManager」(MDMソリューション)「ARROWS Tab Q704/H」(タブレット端末) |