海洋研究開発機構は、「地球シミュレータ」の解析精度や計算効率を高めるための「プリポスト・システム」を構築。2014年3月24日に本格稼働させる。製品を導入した日本SGIが、2014年3月4日に発表した。地球シミュレータは、地球温暖化予測や地球内部変動といった環境変動をシミュレーションするためのスーパーコンピュータ。
同センターは、地球シミュレータの産業利用を促進するための「地球シミュレータ産業戦略利用プログラム」を実施している。今回のシステム構築はその一環だ。これまで不可能だった大規模シミュレーションを実施できるようにすることで、各種産業の課題解決ニーズを呼び起こす。
新システムの主な機能は、地球シミュレータへのデータ投入前における解析モデル作成や条件設定。これにより、地球シミュレータの解析精度や計算効率を高められる。計算結果を可視化する機能も実装し、汎用アプリケーションを用いてデータ解析処理を実施できるようにする。
解析モデル作成や条件設定を担うサーバーには、「SGI UV 2000」を採用した。同製品は32TBの共有メモリーを搭載しており、単一OSで稼働する。Xeon E5-4600 v2を256個(2560コア)搭載し、理論性能は49.152テラフロップス。
計算結果を可視化するためのサーバーには、Xeon E5-4600 v2を4個(40コア)搭載した「SGI UV 20」を導入する。ストレージシステムは、物理容量240TB(実効容量140TB)のRAID型ストレージ「SGI InfiniteStorage 17000」。ファイルシステムはNFSである。日本SGIとともに、地球シミュレータの開発元であるNECが共同で導入・構築を担当。
ユーザー名 | 海洋研究開発機構 |
業種 | 独立行政法人 |
導入システム | 地球シミュレータと連携するプリポストシステム |
導入目的 | 地球シミュレータの性能向上による利用促進 |
導入時期 | 2014年3月24日 |
主な利用製品 | 「SGI UV 2000」「SGI UV 20」「SGI InfiniteStorage 17000」(いずれも日本SGI) |