ビジネスの成長を促進するためのデータマネジメントを実践していくにあたり、今、企業がなすべきアプローチとは?──1997年の創業以来、多くの企業・組織の情報活用を支援してきたリアライズ。同社の櫻井崇氏が、効果的なデータマネジメントの実施に向けたアプローチと、その成功事例を語った。
データマネジメントの原点を明らかにする
「データが導く本当の真実をビジネスに活かす」
ビッグデータ、データサイエンティスト、様々なデータにまつわる言葉を耳にする昨今、多くの企業において、「事業の実態を把握するためにデータを正しく把握したい」「複数システムで管理するデータを統合したい」「顧客情報の活用に向けデータの品質を向上したい」といった、データマネジメントに関する様々な要望が浮上している。リアライズの櫻井氏は、「弊社に対しても多くのお客様から問い合わせが寄せられているが、失敗しないデータマネジメントを実践していくにあたり、その目的について一度、振り返ってもらいたい」と強調する。
これまでもデータ統合やマスターの共通化など、データベースの最適な利用を実現すべく、様々な施策が多くの企業によって進められてきた。しかし、「実際にデータがきちんと統合され、マスターの共通化も進んだ状態であれば、データ活用のフェーズでそれほど悩みは発生しないはず」と櫻井氏は、疑問を投げかける。
現実に目を向けると、「データベースのテーブルや項目、レイアウトといった“器”そのものは整備してきたものの、いったいどこにどのような情報があるのか把握できていないケースが少なくない。つまり、データの所在や鮮度といった“中身”の管理が追いついていないため、効果的な分析を行うことができないのだ」(櫻井氏)という。
目的の明確化がデータマネジメント成功の鍵
このようにビッグデータに代表されるようなデータ活用には、“器”であるシステムと“中身”であるデータが重要となる。「ただし、忘れてはならないのは、データを整備することだけが目的ではないこと。何のために実施するのか。まずは、その目的を明確にすることが重要となる」と、櫻井氏は指摘する。
「例えば、売り上げの向上や顧客の囲い込み、これまで営業できていなかったホワイトスペースへの切り込み等、目的を明確にし、それらを実現していくための手段としてデータマネジメントを適用していかなければならない」(櫻井氏)。
そうしたアプローチに基づき、櫻井氏はリアライズの支援により適切なデータマネジメントを行い、成果を上げることができた3つの事例を紹介した。1つ目は、データが散在しているため、整備に時間をとられ販促施策用のデータ抽出が困難だった状況を、リアライズへアウトソーシングすることで手間のないデータ統合やデータ抽出を実現し、販促活動のレスポンスレートを2倍に向上させた事例。2つ目は、システムごとにデータ項目の意味や定義が異なっていたため都度確認が必要だった状況を、リアライズがデータ定義と運用ルールを整備することで、調査工数を大幅に削減した事例。そして3つ目は、新規顧客獲得のために購入した外部リストを、事前に自社データを整備した後に、外部リストの特性に合わせた紐づけを行うことで、担当者の負荷を抑制しつつ正確なホワイトスペースへの営業活動を実現した事例である。
最後に櫻井氏は、効果的なデータマネジメントを実施していくにあたっての4つのポイントを紹介。「部門横断的プロジェクトに進めるにあたっては、経営層の理解やコミットメントも必要」「やみくもに何でも実施しようとするのではなく、目的を明確にして、進めることが必要」「できないことをやろうとすると必ず失敗する。まずは実現可能な範囲で進めていく。また、小さく始めて、成功の実感を関係者と共有することも重要」「データは器、すなわちシステムだけではなく、データの中身に着目することで、真の問題が見えてくる」とのアドバイスを提示し、講演を締めくくった。
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