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クラウドでは困難な「高可用性」をどう実現するか
柔軟でシンプルな最新ソリューションの実像
2015年1月5日(月)
モバイルやIoT(Internet of Things)などを取り上げるまでもなく、ITは社会や企業、家庭、そして個人すべてに普及し、欠かせない存在になった。そうした中で急浮上した重要なテーマがある。「絶対にサービスを止めない無停止型システムをどう実現するか」がそれだ。何よりも病院などの医療関係や、航空管制など社会インフラを担うシステムでは、無停止は絶対条件。一般企業でも、例えば電子メールなどが止まるとダメージを受けるのは、間違いないだろう。一般に99.95%の可用性しか保証されないクラウドコンピューティングに、単純にすべてを委ねるわけにはいかない理由がここにある。 こうした高可用性に対するニーズの高まりを受けて2014年12月9日に開催されたのが、「Stratus Always-On World 2014@Osaka」。より簡単かつ安価に無停止型の高可用性システムを実現する日本ストラタステクノロジーのソリューションを徹底解説した。ストラタス製品というと高機能・高価という印象があるが、今ではまったく違っているのもニュースの1つだ。
「ITの安定稼働は今や企業や社会にとって生命線。当社は可用性とBCP(事業継続計画)に焦点を当てて企業、社会に貢献します」──。
2014年12月9日に開催された「Stratus Always-On World 2014@Osaka」は、日本ストラタステクノロジー常務執行役員 営業本部長である三村俊行氏のこの言葉で幕を開けた。
最初のプログラムは「止まらないシステムはなぜ重要か」と題した、インプレス IT Leaders 編集主幹・田口潤氏による基調講演。同氏は今日の経済や社会が、ITによって決定づけられる「Software Defined Business」、あるいは「Software Defined Everything」と呼ばれる状況に突入したと指摘。「多種多様なシステムが相互に連携し合う中で、システム停止は今まで以上に大きな影響を社会や企業に及ぼします」と語った。その上で、システムの特性である「RAS(Reliability:信頼性、Availability:可用性、Serviceability:保守性、サービス性)」に、改めて着目することの重要性を説いた。
ソフトウェアベースのHA・FTシステム「everRun」を活用
高可用性と高レスポンスを兼ね備えたファイルサーバーを構築
流れを引き継ぐ形でジェイエスフィット 大阪支店の森田晃弘氏 (大阪エンジニアリングサービス課 ネットワークSE)が登壇。同社がサービスを提供している大阪ガス行動観察研究所における「高可用なファイルサーバー導入事例」を解説した。大阪ガス行動観察研究所は2014年6月以降、ITインフラの刷新を進めており、業務に欠かせない重要システムの一つであるファイルサーバーもその1つだった。「より安定稼働性に優れ、高可用性を備えたシステムを」という要望を受けて、ジェイエスフィットが提案したのがストラタスの高可用システムソフトウェア「everRun」だった。
森田氏は「everRunは、ベンダーを問わずごく一般的なIAサーバーが2台あれば、高可用性サーバーを構成できる」「ソフトウェアなので専用のハードウェアに比べて初期投資と運用コストを安価にできる」「OSとして、WindowsでもLinuxでも動作する」「仮想化ソフト(KVM)を内蔵するので、複数の仮想マシンを稼働させることが可能」「冗長構成が必要な仮想サーバーを一元管理できる」「仮想OSごとに、HAモードとFTモードを自由に選択できる」といったメリットを挙げた。
ちなみにHAモードとは高可用性モード。いわゆるホットスタンバイ構成で、2台のサーバーのうち片方に障害が発生すると、もう片方が処理を引き継ぐ。FTモードはフォールトトレラントモードの略であり、メインメモリーの内容も含めて2台のサーバーの状況を同一に保ち、片方が故障した場合ももう片方がそのまま処理を継続する。FTモードがより信頼性が高いモードと言えるが、2台のサーバーの状況を同一に保つために、若干のパフォーマンス劣化が見られるという(詳細は後述)。
動作検証の結果から、最終的に大阪ガス行動観察研究所が選んだのは、HAモードでの運用である。「HAモードでは障害発生時のノード切り替えに、OSを再起動するため5分程度の時間を要します。FTモードではチェックポイントの処理が発生して、アクセス性能が低下する。双方のメリット、デメリットを勘案してファイルアクセス時のレスポンスに影響を与えない点を重視しました」と森田氏は語った。
今回の成果を踏まえて大阪ガス行動観察研究所はジェイエスフィットの協力を得て、現在クラウド上で運用しているメールサーバーや外部向けDNSサーバーをオンプレミス(自社設置)に巻き戻し、everRun上での一元的な運用管理に移行していく計画である。
「これらはファイルサーバーと違って、FTモードで運用します。1システムに混在してもまったく問題はありません。仮想OSごとに稼働させるモードを選択することで、リソースの有効活用にもつながると考えています」と、森田氏は今後の展開を示した。