[真のグローバルリーダーになるために]

【第29回】競合相手のトップに再チャレンジするための策を考える

2016年3月4日(金)海野 惠一(スウィングバイ 代表取締役社長)

日本ITCソリューションが香港で臨む地下鉄のICカードシステム刷新案件において、課長の佐々木は競合相手、北京鳳凰に対し“共同開発”を持ちかけた。トップの蘇総経理はまんざらでもなかったが、海外事業部長の猛烈な反対を受けた。わざわざの北京訪問も徒労に終わるかに見えたものの会談後、北京鳳凰がプロジェクト管理でトラブっているという情報を入手した。翌日の早朝便で日本に戻った佐々木は早速、本社に顔を出し上司との面談に向かった。

 約束の午後3時、日本ITCソリューション課長の佐々木は事業部長の三森と会議室で会った。

 「佐々木さん、ご苦労様でした。報告書は先ほど読みました。先方の北京鳳凰はかなり強気ですね。特に海外事業部長は手強そうです。

 しかし、合同プロジェクトを提案したとのことですが、今の時点で、そうした提案をするのは、あまり好ましいやり方ではないでしょう。最後に仕方なく妥協した時には合同もあり得ますが、最初からそうしたオファーは当社内では通りません。仮に共同で進めるという提案が通ってしまっていても専務は承認しないでしょう。我々が抱えるリスクのほうが大きいと言われるのがオチです。

 とはいえ蘇総経理は我々と組むことに嫌な気持ちは持っていないようですので、まだ交渉の脈はありそうです。蘇総経理は話が分かる人のようですから、もう一度チャレンジしてみる価値はあるかもしれません」

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