NECとGEデジタルは2016年10月26日、産業向けIoT(Internet of Things)分野での提携を発表した。NECがGEのIoTプラットフォーム「PREDIX」を自社グローバルサプライチェーンに導入、そのノウハウをもとにGEデジタルと共同で顧客先へのPREDIX導入を推進していく。
まずNECは、自社のグローバルサプライチェーン革新プロジェクトに、GEのPREDIXを導入し、オペレーションコストの削減を図る。NECの榎本亮執行役員はこの際に、「ERP(基幹システム)とPREDIXを連携させる開発ノウハウを確立させる」としている。
この自らの導入ノウハウとGEのグローバルでの産業向けIoTソリューション構築ノウハウ、OT(Operational Technology:運用技術)ソリューションを組み合わせて、ユーザー企業へのPREDIX導入を進めていく。NECは2017年度中に100名のPREDIX認定技術者を育成する。
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さらにNECは、AI(人工知能)など自ら持つ要素技術の一部をマイクロサービス化し、PREDIXの開発者向けサイト「PREDIX.io」に提供することも明らかにしている。NECのAI技術は、世界トップクラスの精度を誇る顔認証やテキスト合意認識などに加え、自律適応制御、予測型意思決定最適化、自己学習システム異常検知といった独自のAI技術も有しており、これらをグローバルのPREDIX技術者向けに提供することになる。
GEは、2014年にOT(オペレーション・テクノロジー:運用技術)向けの高いセキュリティ技術を有しているWurldtechを買収しており、このWurldtechのOT向けセキュリティ技術とNECの持つITソリューション向けのセキュリティノウハウを組み合わせたIoT向けセキュリティソリューションの開発も行っていく予定だ。
NECは、「NEC the WISE IoT Platform」という自社のIoT基盤を持っているが、OTを中心とする産業分野のIoTに強く、グローバルで展開するGEと組むことで、IoT事業のグローバル展開の拡大につなげた考えだ。