朝日信用金庫は2017年7月11日、IBM Watsonを活用した金庫内の事務問い合わせ支援システムを構築し、7月10日に稼働開始したと発表した。問い合わせ対応の事務作業を効率化するのが狙い。システム構築はローレルバンクマシンが担当した。
朝日信用金庫がIBM Watsonを活用した金庫内の事務問い合わせ支援システムを構築した。
システムの使い方として、営業店から事務手続などに関する電話での問い合わせを受けた本部の担当者が、音声認識技術によってPC上に自動入力された内容をもとに、IBM Watsonに対してチャット形式や検索形式または両方式を選択して問い合わせる。IBM Watsonは、質問の意図を理解して、あらかじめ学習させておいた事務規定からデータを探し、回答候補を画面上に提示する。
IBM Watsonは、蓄積された知識を基にして自然言語を用いた質問応答などを実現する技術である。コンタクトセンターの問い合わせ対応やチャットボットによる自動応答システムなどに使われている。今回、朝日信用金庫は、金庫内の問い合わせ対応を支援する用途でIBM Watsonを活用した形である。
具体的なIBM Watsonの機能としては、音声で検索内容を入力するための「Speech to Text」機能、チャット形式の自然な会話を実現するための「Watson Conversation」機能、問い合わせに対して最も関連性の高い情報を検索するための「Retrieve and Rank」機能などを用いている。
朝日信用金庫は、今回の取り組みを契機に、IBM Watsonの活用分野を拡大することを検討するとしている。例えば、本店の担当者を介することなく、営業店の端末から職員が直接同システムへ問い合わせをしたり、営業係が外訪先で事務手続などを問い合わせたりできる環境を構築するとしている。