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日立ソリューションズ、IoT向けに高速化を図った組み込みデータベース

2017年9月1日(金)IT Leaders編集部

日立ソリューションズは2017年8月31日、IoT化が進む制御システムに向けてリアルタイム性を高めたデータベース管理システム「Entierインメモリデータベース管理システム」を発表した。数十マイクロ(0.00001)秒でのデータの検索や更新ができるとしている。2017年9月1日から販売する。体験版もダウンロードできる。価格は個別見積もり。

 Entierは、カーナビゲーション、デジタル家電、スマートデバイスなどの組み込みデバイスに適した、軽量・高速・高機能なリレーショナルデータベースである。 KVS(キーバリューストア)やリングバッファの採用で処理能力を向上し、データの検索や更新の高速化を実現した。また、自動運転やロボットなどの制御アプリケーションを簡単に開発できるようにマルチスレッドに対応。IoT機器が出力する種類の異なる複数のデータを同時に処理できる。

 プログラムサイズは100KB程度と軽量であり、リソースが制限されたエッジデバイスに適用できる。また、自動車の機能安全規格ISO26262の設計プロセスに準拠したエビデンスを提供する。これにより、車載システムにおける規格の認証取得に役立つ。

 製品提供の背景について同社は、自動運転やロボットなどの高度化に伴い、制御ユニット上のアプリケーションは、限られたリソースの中で1ミリ(0.001)秒以下の処理能力が求められていることを挙げる。「また、制御ユニット上のアプリケーションは、センサーなど複数のIoT機器とのデータの受け渡しも必要となり、データの多様化・大規模化にともなうデータの整合性確保や、アプリケーション間の干渉回避といった課題の解決も求められている」(同社)。

 これらの課題を解決するため、日立ソリューションズは、組み込みデータベース「Entier」の開発で培ったノウハウを生かし、2016年10月に日立オートモティブシステムズと共同で、自動運転車向けのアプリケーション開発を効率化する「自動運転ECU(Electronic Control Unit)プラットフォーム」を開発した。今回のデータベースは、「自動運転ECUプラットフォーム」に採用された組み込みデータベースを汎用化したものである。

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