伊藤忠テクノソリューションズは2017年9月6日、ユーザーが運営するWebシステムの会員登録やログインに、SNS(ソーシャルネットワークサービス)のアカウントを利用できるようにするSI(システム構築)サービスを開始すると発表した。一般消費者向けWebサービスを提供する企業や、公衆サービスを提供する自治体などに向けて提供する。受注目標として、1年間で30件を掲げる。
企業、自治体、大学などが運営する一般消費者向けのWebサービスに対して、SNSアカウントを使って会員登録やログインを可能にするID管理基盤を構築するSIサービスである。ログインユーザーが既に所有している、Facebook、Twitter、LINE、Yahoo! JAPANなどのSNSアカウントを利用できるようになる。
SNSアカウントを利用することで、Webサービスへの会員登録が手軽になる。登録途中での離脱を防ぎ、会員数の拡大につながる。また、ログイン先の組織が管理しているアカウントにユーザー自身のSNSアカウントをひも付けることで、シングルサインオンが可能になるなど、ログインの利便性が向上する。
SNS情報を基にしたレコメンデーションなど、ユーザーのSNS環境に応じた情報の通知が可能になる。例えば、小売店舗が提供する公衆無線LANへの接続に同サービスを使うことで、小売店舗のメッセージやクーポンを配信できる。
SIサービス提供の背景について同社は、サービスの向上やマーケティングを目的にエンドユーザーの情報を収集したいという需要に対して、Webサービスのエンドユーザーである消費者から見ると、会員登録時に会員情報を入力する手間や、ID/パスワードを使い回すリスクが大きいことを挙げる。
今回のSIサービスは、ID管理機能のベース部分に、米Microsoftのクラウド型ID管理サービス「Microsoft Azure Active Directory B2C」(Azure AD B2C)を使っている。Azure AD B2Cに近日追加予定の新機能を使って開発したという。