2018年4月の3本:日立がサーバーやストレージの生産を外部に委託/オラクルが「自律型データベースクラウド」を国内で提供開始/IPAが「IT人材白書2018」を発行
2018年5月8日(火)松岡 功(ジャーナリスト)
2018年4月のニュースから松岡功が選んだのは、「日立がサーバーやストレージの生産を外部に委託」「オラクルが“自律型データベースクラウド”を国内で提供開始」「IPAが“IT人材白書2018”を発行」の3本である。“見逃せない”理由と共に、それぞれのニュースのポイントをお伝えする。
日立がサーバーやストレージの生産を外部に委託
日立製作所が2018年4月3日、サーバーやストレージの生産を外部に委託すると発表した。サーバーやストレージを生産する100%子会社である日立情報通信マニュファクチャリングの株式97%を、電子機器の受託製造サービス(EMS)大手のユー・エム・シー・エレクトロニクス(UMCエレクトロニクス)に売却する。自社生産からOEMに切り替えることで製造コストを引き下げるのが狙いだ。
UMCエレクトロニクスは日立情報通信マニュファクチャリングの株式を、2018年7月に85.1%、2021年4月に11.9%取得する予定。これに伴い、同社の従業員約660人や、日立製作所が所有する神奈川県秦野市と福島県郡山市にある事業所の生産設備や建物などの資産を移管する。OEMにより、UMCエレクトロニクスは引き続き日立ブランドで製品を生産する。
日立としては、サーバーやストレージの開発は継続し、現在注力しているIoT事業との連携を強化していく構えだ。
[選択理由]
IT業界で国産大手の一角を占めてきた日立が自ら「コンピュータメーカー」の旗を降ろす格好となり、IT産業史上でも時代の変わり目を象徴する出来事と受け止められるからだ。
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