日立製作所と日立(中国)有限公司は2018年9月10日、中国の大手IT企業であるテンセント(Tencent Holdings)と、IoT分野における戦略的提携に合意したと発表した。日立製作所では、中国での売上を2018年度に1.1兆円に拡大する意向である。
日立グループとテンセントは、スマートシティの構築や、製造・物流分野のスマート化などのように、各種の事業分野においてIoT化を図ることを目的に、両者が持つ技術と資源を活かし、新たな市場を開拓する。さらに、低コストで高効率で安全なIoT環境の構築を推進する。
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テンセントは、テンセントクラウドなどの、IoTに関する先進技術を開発した実績を持つ。一方、日立製作所は、長年培ってきたITとOTの経験・ノウハウを持っており、スマートシティやスマートビルディングなどの分野において総合的なシステム構築サービスを提供できる。
現在、日立とテンセントは、昇降機や空調設備などの製品や、生体認証技術などに、テンセントのIoTシステムを導入する検討を進めている。今後は、健康養老やスマート製造、スマート物流、法人向けアプリケーション「WeChat(企業微信)」の展開に向けて技術交流・協力を実施していく。
日立グループは、社会イノベーション事業のグローバル展開を進めており、中国は日立グループにおけるもっとも重要な市場の1つという。現在進めている「2018中国事業戦略」では、製品事業の強化と、中国発展の方向性に合った社会イノベーション事業の拡大を柱としている。
中国は、日立グループにおける重要な市場の1つであり、143のグループ企業と約4万4080人の従業員を擁している(2018年3月末現在)。中国における日立グループの2017年度の売上収益は1兆410億円で、日立グループの売上収益の約11%を占めている。2018年度には中国での売上を1.1兆円に拡大する意向である。