[市場動向]

日立グループとタイ・サイアムセメントグループがIoTを活用し協創

2018年9月19日(水)IT Leaders編集部

タイSCG Cement-Building Materials(SCG-CBM)と日立製作所および日立のタイにおける現地法人であるHitachi Asiaは2018年9月18日、SCG-CBMの工場のエネルギー省力化や流通業務の効率化に向けた協創に関する覚書(Memorandum of Understanding:MOU)を締結したと発表した。今後、3社は、日立のIoT基盤「Lumada」を活用したデジタルソリューションの開発や共同実証を行い、製造現場から物流に至るまでのバリューチェーンの効率化に向けた取り組みを進めていく。

 The Siam Cement Public Companyは、セメント・建設資材、石油化学、梱包材を主力事業としてグローバルに展開する、タイの複合企業グループであり、SCG-CBMはそのなかで、セメントおよびその他建築資材の製造・流通事業を行っている。グループ全体で幅広い事業分野をカバーしているため、デジタル技術を活用した生産性の向上に取り組んでいる。

図1:「工場シミュレーター」の概念図(出典:日立製作所)図1:「工場シミュレーター」の概念図(出典:日立製作所)
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 一方、日立製作所は、「電力・エネルギー」、「産業・流通・水」、「アーバン」、「金融・社会・ヘルスケア」を注力分野として、デジタル技術を活用した社会イノベーション事業を展開している。製造業で培ってきた経験やノウハウを基に、日立のIoT基盤「Lumada」を活用し、顧客との協創を通じて各種のデジタル関連サービスを開発・提供している。2018年9月17日には、タイに「Lumada Center Southeast Asia」を開設した。

 今回、経営の効率化を目指すSCG-CBMと、グローバルにデジタル関連サービスを提供する日立製作所および日立アジア(タイランド)は、MOUを締結し、工場のエネルギー省力化と流通業務の効率化に向けた協創を開始する。

 具体的には、タイ南部のトゥンソンにあるSCG-CBMのセメント工場において、Lumadaのソリューションコアである「工場シミュレーター」を活用して生産能力や生産管理などの各種データベースを分析し、工場全体の最適な生産計画を自動で立案することで、エネルギー使用量の削減を図る。また、流通業務については、セメント配送トラックの運行データを分析し、最適な配送計画を立案することで、物流コストおよび在庫の削減を図る。

 今後、3社は、共同実証および効果検証を行うとともに、日立製作所のデジタル技術を活用した協創を深め、適用範囲拡大を検討していくという。また、日立製作所および日立アジア(タイランド)は、SCG-CBMとの協創により新たなサービスを構築し、Lumadaのソリューションコアとしての展開を目指す。

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