日本マイクロソフトは2019年1月16日、Windows 7やWindows Server 2008のサポートが1年後の2020年1月14日に終了することに関連して、クラウド環境など最新環境への移行を支援する施策を発表した。
OSやアプリケーションのサポートが終了すると、セキュリティ更新プログラム(品質更新プログラム)の提供が止まる(図1)。これにより、新たなセキュリティの脅威に対する脆弱性が増す。特に日本の場合、2020年にかけてさまざまな国際イベントを開催することから、日本を標的としたサイバー攻撃が増加する恐れがある。日本マイクロソフトは、最新環境への早期の移行を促すとともに、パートナー企業と連携した支援を提供している。
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今回発表した新たな取り組みは大きく、(1)Windows Server 2008、Windows Server 2008 R2からクラウド環境への移行、(2)Windows 7とOffice 2010から最新環境への移行の2つ。それぞれについて、いくつかの取り組みを実施する。
(1)のWindows Server 2008、Windows Server 2008 R2からクラウド環境への移行に関しては、大容量データを迅速に移行できる「Azure Data Box」と、ファイルサーバーとクラウドストレージを同期できる「Azure File Sync」を提供する。
2019年第1四半期中に日本でAzure Data Boxの提供を開始する。Azure Data Boxは、大容量データを専用デバイスに格納してMicrosoft Azureのデータセンターに配送し、データを高速にアップロードするサービスである。ネットワークを介さず迅速にデータを移行できる。
取り組みの背景について同社は、ファイルサーバーや業務アプリケーションで大容量のデータを保持しているユーザーがクラウドサービスに移行する場合、ネットワーク経由で転送しようとすると、転送に要するコストや時間がかかることを挙げている。
2019年第1四半期中に日本でAzure File Syncの提供を開始する。Azure File Syncは、ユーザーのファイルサーバーとAzure上のファイルストレージを同期するサービスである。オンプレミスのファイルサーバーと同様の使い勝手で、ファイルをAzure上に同期できる。
(2)のWindows 7とOffice 2010から最新環境への移行に関しては、最新デバイスとクラウドサービスをオールインワンで提供するほか、全国12都市で「クラウド活用による経営力強化セミナー」を開催する。
中堅中小・企業のユーザー向けに「Device as a Service(DaaS)+ Microsoft 365」を提供する。同サービスは、Windows 10デバイスとクラウドサービスをオールインワンで、月額課金モデルで提供するもの。最新のデバイスを、時間や場所を問わず安全に利用できる環境を提供できるとしている。オリックス・レンテック、大塚商会、パシフィックネット、横河レンタ・リース、富士通、VAIOの6社が順次提供する。
中堅・中小企業のユーザーに対して、Windows 7とOffice 2010サポート終了に関する情報や、サイバーセキュリティ対策や働き方改革を実現するためのIT活用方法について解説する場を作る。実績として、2018年11月~12月に「クラウド活用による経営力強化セミナー」を、札幌・広島・福岡・大阪・名古屋の5都市で開催した。2019年2~3月には、さらに7都市(金沢・高松・那覇・熊本・仙台・郡山・新潟)で開催する。