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ドイツ大手銀行がデジタルアニーラを実証、カーリース契約のローン構成を最適化

2019年8月30日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

ドイツの大手銀行Commerzbank(コメルツバンク)の研究開発機関であるMain Incubator(メインインキュベーター)は、組み合わせ最適化問題を高速に解く計算機アーキテクチャ「デジタルアニーラ」のPoC(実証実験)を実施した。カーリース契約の証券について、自社のローンポートフォリオを最適化する実証を行い、有益な結果を得た。Fujitsu EMEIAが現地で発表した内容を富士通が2019年8月30日に国内で発表した。

 富士通の「デジタルアニーラ」は、さまざまな要因の組み合わせを考慮しながら最適解を見つけ出す“組み合わせ最適化問題”を高速に解くための計算機のアーキテクチャ。デジタル回路の利点(高い設計自由度やノイズ耐性)と、量子現象に着想を得た高速性をあわせ持つ。現行の量子アニーリングマシンでは扱うことができなかったような複雑で大規模な問題も解くことができる(関連記事富士通、組み合わせ最適化を解くデジタルアニーラを8192ビットに拡張、オンプレ設置も可能に)。

 今回、ドイツの大手銀行Commerzbankの研究開発機関であるMain Incubatorが、デジタルアニーラを活用して、カーリース契約の証券について、自社のローンポートフォリオを最適化する実証を実施した。実証では、ポートフォリオの中から数千のカーリース資産を最適化することに重点を置いた。金額の制限や、多様なリスクをともなう特定資産の比率制限など、いくつかの規制を含む重大な要件を考慮して実施した。実証の結果、顧客にとって効果的という結果を出せた。

 「現在の標準的なプロセッサでは、このような複雑な組み合わせ最適化問題の結果を導くには膨大な時間がかかる。将来、量子コンピュータを使って瞬時に結果を導くことができるようになるかもしれないが、こうした量子コンピュータの実用化までには長い年月がかかる。デジタルアニーラは、デジタル回路を用いつつ、量子現象に着想を得て開発されたものであり、組み合わせ最適化問題を高速に解ける」(同社)

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