TISは2019年9月10日、コールセンターやヘルプデスクの1次対応を音声対話AIに代行させることができるサービス「電話自動応答サービス」を発表した。料金は回線数やコール数に応じた月額課金の価格体系とした。マルチテナント型プランの価格(税別)は、5回線で月間1000コールの場合、初期費用が30万円、月額費用が12万5000円。販売目標は、2021年までに200社。
TISの「電話自動応答サービス」は、コールセンターやヘルプデスクの1次対応を、音声対話AIに代行させることができるサービスである。用件を聞いてから適切な担当者に転送するといった運用ができる(図1)。コールセンターの基盤システムとしては、コムデザインが提供するクラウド型のCTI(Computer Telephony Integration)サービス「CT-e1/SaaS」を利用する。
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音声対話AIが人の言葉を聞き取り、担当窓口に取り次いだり、FAQの回答を自動的に行ったりできる。これにより、オペレーターの1コールあたり応対時間を短縮できるほか、有人窓口へのコール件数を削減できる。また、自動応答だけで完結できる業務では夜間や休日も電話受付が可能になる。
1次対応の音声対話シナリオを簡単な操作で作成できるとしている。「用件を聞いて、適切な担当者に転送する」「1問1答型のFAQの回答を返す」「利用者にいくつか質問をして、簡単なトラブルシューティングを行う」といったシナリオを作成して実行できる。
以前から、定型的な応対業務にはIVR(自動音声応答装置)が使われてきた。しかし、プッシュトーン型のIVRの場合、表現できる内容が限られるほか、メニューを拡張すると音声ガイダンスの時間が長くなる。このため、自動化の範囲を大きく広げることは困難だった。
電話自動応答サービスでは、音声対話AIが人の言葉を聞き取るため、IVRの不満である「長いアナウンスを毎回聞かされる」「自分の用件がどのメニューにあたるかが分からない」といった問題点を軽減できる。
プランは、標準機能を低価格で利用できる「マルチテナント型プラン」と、機能やシステム構成のカスタマイズが可能な「専有環境型プラン」(個別見積)を用意した。マルチテナント型プランは、申し込みから通常1~2週間で利用を開始できる。