富士通は2019年12月2日、理化学研究所と共同で開発しているスーパーコンピュータ「富岳」の出荷を、同日付で開始すると発表した。今回出荷する第1号機は、、「富岳」を構成するコンピュータラックの1つである。今後も順次、理化学研究所の計算科学研究センターに出荷・納入し、設置・調整を行う。「富岳」は、2021年から2022年ころの共用開始を目指している。
「富岳」は、理化学研究所が運営してきたスーパーコンピュータ「京」の後継システムである(関連記事:富士通、ポスト「京」スパコンの製造を開始、技術を転用した商用機は2019年度下期に販売)。「京」を設置していた理化学研究所計算科学研究センター(所在地:兵庫県神戸市)に設置する。
「富岳」のシステムは、富士通が新たに開発したARMベースのCPU「A64FX」を15万個以上接続して構成する(関連記事:富士通、ポスト「京」のCPU「A64FX」の仕様を公表)。2021年から2022年ころの共用開始を目指している。
今回、富士通は、「富岳」の第1号機を、計算科学研究センターに出荷する。第1号機は、「富岳」を構成するコンピュータラックの1つとなる(写真1)。今後も順次、理化学研究所計算科学研究センターに出荷・納入し、設置・調整する。
富士通は、「富岳」の技術を活用した商用スーパーコンピュータ「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX1000」および「同PRIMEHPC FX700」もグローバルで販売している(関連記事:富士通、京後継「富岳」ベースの商用スパコン「PRIMEHPC FX1000」「同FX700」を販売)。2020年3月から出荷する。
2019年11月には、富士通の沼津工場に設置した「富岳」のプロトタイプが、スーパーコンピュータの消費電力性能を示すランキング「Green500」において世界1位を獲得している(関連記事:スパコン「富岳」のプロトタイプが消費電力性能ランキング「Green500」で世界1位に)。