富士通は、データベース仮想化製品ベンダー、米Delphixの日本法人、Delphix Softwareとの間で販売代理店契約を締結した。富士通は、データベース仮想化製品「Delphix Dynamic Data Platform」の販売や導入支援などを提供する。Delphix Softwareが2020年2月20日に発表した。
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富士通が販売を開始するDelphix Dynamic Data Platform(以下、Delphix)は、データベースアクセスをともなうアプリケーションを開発する際に、開発テスト用途のデータベースを簡単に構築できるストレージ製品である。ユーザーが本番環境で使っているデータベースを、開発環境のデータベース用にコピーして運用できる(写真1)。
外部にある本番系のデータベースと同期し、Delphix内に構築した複数の仮想ストレージにデータをコピーする仕組みである。リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)のデータを複製し、複数のRDBMS(フロントエンドとなるSQLエンジン)から多目的に利用できるようにする。
RDBMSのデータだけでなく、設定ファイルを含む、アプリケーションの実行に必要な各種のデータをコピーしてデータベースを仮想化できる。また、物理的にデータベースを構築する場合と比べて、少ないストレージ容量で済む。
ITシステムの単体テスト工程においては、同一のデータベースを複数のプログラムから利用する形になる。このため、競合を回避するため、それぞれ個別のローカルデータベースを構築して利用する。Delphixを使えば開発者それぞれがテストに利用するデータベースを素早く作成できる。
Delphixは、テストデータとして、データベースにおける特定のタイミングの「断面」を取得できる。テストの実行時には、繰り返しテストを実施する際や、テストケースを切り替える際に、データを簡単に巻き戻せる。