[事例ニュース]
トライアルの小売業向けAI/IoT基盤プロジェクト「リアイル」、サントリーや日本ハムなどが参画
2020年2月26日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)
食料品スーパーとディスカウントストアを一体化したスーパーセンターのTRIAL(トライアル)。トライアルカンパニーのIT/AI事業を担うRetail AIは2020年2月25日、パートナー企業と共に都内で説明会を開き、小売店舗向けのAI/IoT基盤の開発を推進するプロジェクト「リアイル(REAIL)」について説明した。同年4月24日からは、TRIAL長沼店(所在地:千葉県千葉市)において、商品棚をAIカメラで監視して欠品を補填するといったAI活用の実験を開始する。
トライアルカンパニーのRetail AIは、小売店舗向けのAI/IoT基盤を開発・提供している企業である。同社は、パートナー各社と共に、小売業向けのAI/IoT基盤を開発・推進するプロジェクト「リアイル(REAIL)」に取り組んでいる。
説明会では、Retail AIに加え、パートナーとして、商品を開発して小売店に供給するサントリー酒類と日本ハム、低温物流商社の日本アクセス、運送会社のムロオ、冷凍冷蔵ショーケースを開発するフクシマガリレイが登壇した(写真1)。
拡大画像表示
2020年4月24日には、千葉県千葉市のスーパーセンターTRIAL長沼店において、AI/IoT基盤の実験を開始する。Retail AI代表取締役社長の永田洋幸氏によれば、今回の実験はPoC(概念検証)ではなく、実際のオペレーションで実績を出すために実施する。TRIAL長沼店での実績を元に、AI/IoT基盤の導入店舗を拡大する予定である。
TRIAL長沼店が導入するAI/IoT基盤の1つが、商品棚を監視するAIカメラである。欠品状態を把握して、商品を自動で追加発注するといった運用ができる(図1)。棚の前を通過する顧客の流れも把握できる。商品の並べ方もAIが提案を行う(関連記事:AIで商品識別や購買行動分析、トライアルが明かす「リテールAIカメラ」開発の詳細)。
拡大画像表示
拡大画像表示
トライアルが以前より取り組んできたカスタマーエクスペリエンス(CX:顧客体験)向上のアプローチであるデジタルサイネージとセルフレジを搭載したショッピングカートも使う(写真2)。
デジタルサイネージには、手に取った商品の類似商品で安価に買えるものを表示したり、野菜をかごに入れたらドレッシングをレコメンドしたりする。セルフレジは、プリペイドカードによる決済機能を持っており、専用レーンを通ってすばやく退場できる。
●Next:パートナー各社は「リアイル」で何を実践するのか?
会員登録(無料)が必要です