[新製品・サービス]
日立、グローバル環境下で地域をまたいだIoTデータ活用を支援するサービス
2020年6月18日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)
日立製作所は2020年6月18日、グローバル環境下でIoTデータを活用する企業に向けたIoTデータ活用サービス「Hitachi Global Data Integration」を発表した。グローバル環境下でIoTデータを活用する際の障壁を解消するとしている。各地域の通信回線を接続し、データを収集・蓄積し、データを活用する仕組みを一式提供する。同年6月30日から販売し、7月31日から提供する。価格(税別)は、標準サービス(回線接続、データ収集・蓄積、データ活用)の場合、初期費用が50万円、月額39万6000円。
日立製作所の「Hitachi Global Data Integration」は、グローバル環境下でIoTデータを活用する企業に向けたIoTデータ活用サービスである。グローバル環境下でIoTデータを活用する際の障壁を解消する。各地域において通信回線を準備・管理するほか、データを収集・蓄積・活用するためのシステム環境を提供する。IoTデータを集めて活用するための一連の基盤機能をサブスクリプションサービスの形態で提供する(図1)。
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製品提供の背景について同社は、各地域で稼働する製品や設備からデータを収集して活用することが難しい状況を挙げる。「地域ごとの通信回線の調査・契約、IoTデバイスの管理、データ収集・蓄積・活用のためのシステム基盤の構築や運用といった、様々な準備が各国の地域事情や法令などに即して必要になる。システム基盤にはデバイスやデータの増加に合わせた拡張性も求められる」(同社)。
各地域での回線接続と、データ収集・蓄積・活用を支援
標準サービスは、国や地域を越えてIoT技術の活用で必要となる回線管理を行う「回線接続サービス」、グローバルにデータの収集と蓄積を行うクラウド型の「データ収集・蓄積サービス」、データレイクに蓄積した稼働情報などを可視化する「データ利活用ソリューション」の3つで構成する。
標準サービスの価格は、初期費用が50万円。サブスクリプション費用は、IoTデバイス200台までは一律で月額39万6000円。201台以上の場合は、201台以降につき1台あたり月額1980円が追加で必要。なお、サブスクリプション費用には、デバイスあたり1カ月10MBまでの通信料が含まれる。
回線接続サービスでは、ユーザーが利用を検討する国の通信回線を、通信事業者の協力の下で一括提供し、回線の接続と管理を実施する。あらかじめ通信事業者向けのAPIを備えているため、国や地域を越えて一元的に回線を制御・管理できるとしている。例えば、本サービスを介して、海外に出荷した製品・設備のSIM回線を開通・停止したり、通信状態を管理したりできる。
データ収集・蓄積サービスでは、データの収集・蓄積のためのシステム基盤をクラウド型で提供する。ミドルウェアとして「Hitachi Application Framework/Event Driven Computing」(HAF/EDC)を活用する。取り扱うデータ量の増減に応じて、処理スループットを増減させてデータ収集・蓄積を効率化する。また、他のシステムから連携するための外部連携APIを提供する。
データ利活用ソリューションでは、位置追跡や稼働監視、アラート管理など、収集データを活用する上で汎用的にニーズの高い機能を標準機能として提供する。海外に出荷済みの製品や設備の位置情報を地図データとマッピングして、地域ごとの圧力や温度などの機器の稼働状態をまとめて一覧表示・グラフ化できる。異常を検知してアラートを表示して迅速な保守対応を支援するといった使い方もできる。
コンサルや個別システム構築なども個別見積もりで提供
標準サービスとは別に、コンサルティングや個別システム構築などのオプションサービスも、個別見積もりで提供する。標準サービスをベースにユーザーの独自仕様で開発する「個別システムインテグレーションサービス」、PoCから実運用まで、IoT事業の展開に関するコンサルティングを提供する「コンサルティングサービス」、データを分析し、分析結果を基に提案を行う「データ分析サポートサービス」の3つを提供する。