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キヤノン、「富岳」ベースのスパコンを発注、製品開発における解析シミュレーションを高度化

2020年9月23日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

キヤノンは、製品開発における解析シミュレーションを担う新しいスーパーコンピュータシステムを富士通に発注した。理化学研究所と富士通が共同開発したスーパーコンピュータ「富岳」の技術を活用した「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX1000」(ハーフラック、192ノード)で構成する。理論演算性能は648.8TFLOPS(毎秒648.8兆回の浮動小数点演算)になる予定。2021年前半から稼働する。富士通が2020年9月23日に発表した。

 キヤノンは、製品開発にスーパーコンピュータを活用している(画面1)。3次元CAD(コンピュータによるデザイン)データを用いた解析シミュレーションによって無駄な製品試作をなくす「試作レス」の取り組みを推進している。

画面1:落下衝撃シミュレーションのイメージ(インクジェットプリンターの梱包落下)(現行システムのもの)(出典:キヤノン)画面1:落下衝撃シミュレーションのイメージ(インクジェットプリンターの梱包落下)(現行システムのもの)(出典:キヤノン)

 これまでキヤノンは、「京」スーパーコンピュータの技術をベースにした富士通のスーパーコンピュータ「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX10」および「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX100」を活用してきた。

写真2:PRIMEHPC FX1000の外観(1ラック384ノードのイメージ)写真2:PRIMEHPC FX1000の外観(1ラック384ノードのイメージ)
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 今回、より大規模かつ高度なシミュレーションを実行するため、「富岳」の技術をベースにした「PRIMEHPC FX1000」(写真1)を採用した。

 これにより、製品の落下時における破損・変形などを検証する衝突解析試験において、これまで処理することが困難だった1億要素以上の大規模な解析やシミュレーションなどが可能になる。また、従来はスーパーコンピュータを使っていなかった気流解析や電磁波解析などでも活用が可能になる。

 今回構築するスーパーコンピュータシステムは、192ノードの「PRIMEHPC FX1000」で構成する(表1)。理論演算性能は648.8TFLOPSになる見込み。周辺機器として、PCサーバー機「FUJITSU Server PRIMERGY」やストレージ「FUJITSU Storage ETERNUS」を導入する。

表1:新システムの主な構成
メインシステム 主な構成製品 FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX1000
ラック数 1(ハーフラック)
計算ノード数(CPUコア数) 192(9216)
理論演算性能 648.8TFLOPS
総主記憶容量 6TB
ストレージサブシステム 総実効容量 1.5PB
周辺サーバー・ストレージ 主な構成製品 FUJITSU Server PRIMERGY RX2530 M5/RX2540 M5
FUJITSU Storage ETERNUS DX60 S5/AF250 S3
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キヤノン / スーパーコンピュータ / 富士通 / 富岳

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