SB C&Sは、財務・経理業務における共通システム基盤として、BRMS(ビジネスルール管理システム)/ルールエンジン「Progress Corticon」(米Progress Software製)とEAIツール「DataSpider Servista」(セゾン情報システムズ製)を導入した。財務・経理業務の複雑さを解消するのが狙い。アシストが2020年12月18日に発表した。
SB C&Sは、IT商材の流通事業、モバイルアクセサリーやIoT機器の製造・販売、各種ITサービスの提供などを行っている。取り扱う商材が多様で、取引先が幅広いことから、それぞれ固有の業務プロセスのルールを維持するなど、業務ロジックが複雑になっている。
業務ロジックが複雑であることは、競争力の源泉である一方、課題にもなっている。財務・経理関連システムが肥大化し、システムの開発・運用工数やコストの削減、業務効率化などの目標と相反する。複雑な業務ロジックは部署や個人特有のノウハウとして蓄積されており、属人化の排除も課題となる。
SB C&Sは、こうした課題を解決するため、まずは社内に散在する様々なデータやシステムをつなぐデータ連携基盤として、DataSpider Servistaを導入した。さらに、DataSpider Servistaが収集・結合したデータに対し、入力チェック、スコアリング、料金計算などの各種業務ロジックを提供する基盤として、Progress Corticonを導入した。
まずは、2019年に「消費増税対応」と「与信管理」について、業務ロジックを整理した上で、DataSpider ServistaとProgress Corticonを導入した。効果として、開発工数を短縮できたことに加え、従来は複数システムに個別ロジックとして実装していた業務ルールをProgress Corticonに集約できた。これにより、保守性の向上、業務ルールの見える化によるガバナンスの強化、システムのスリム化などを実現した。
今後は、計画中の新会計ERPプロジェクトをはじめ、各種の業務改革の施策においてProgress CorticonとDataSpider Servistaを活用する予定である。
なお、Progress Corticonは、業務ロジックをアプリケーションから分離して管理するBRMSサーバーソフトウェアである(関連記事:アシスト、ビジネスルール管理システムの新版Progress Corticon 6.1、データ接続を強化)。業務ロジックをアプリケーションから分離し、業務ロジックだけをアプリケーションからは独立してメンテナンスできる。