パナソニック システムソリューションズ ジャパンと金庫設備・入退室管理製品メーカーのクマヒラは2021年3月3日、顔認証による鍵管理サービスの事業化で協業することを発表した。パナソニックの「顔認証APIサービス」を活用することで、シリンダー鍵などの物理的な鍵を、非接触かつ顔認証で管理できるようにする。両社は鍵管理サービスの開発、製造、販売を共同で推進する。
パナソニック システムソリューションズ ジャパンとクマヒラは、顔認証による鍵管理サービスの事業化で協力する。パナソニックの「顔認証APIサービス」を活用することによって、シリンダー鍵などの物理的な鍵を、非接触の顔認証で管理できるようにする。こうした鍵管理サービスの開発、製造、販売を、共同で推進する(図1)。
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パナソニックの「顔認証APIサービス」は、ディープラーニング(深層学習)を利用した顔認証機能をWeb APIの形態で提供するサービスである。顔の認証精度として、顔の向きや経年変化、メガネの有無などに影響されにくいとしている。
同社は、空港での本人確認やアミューズメントパークでのチケットレス入退場、店舗でのキャッシュレス決済、オフィスでのICカードレス入退室などで、顔認証技術を応用したシステムを展開している。
クマヒラは金庫設備・入退室管理製品などの大手メーカー。同社の「鍵管理システム」は、鍵の保管、使用者の制限、取り出しと返却の記録といった、鍵管理台帳をベースとした管理業務を自動化したシステム製品である。持ち運びができる小型タイプから、大規模管理が可能な大容量タイプまで、幅広いラインアップを揃える。
鍵管理システムは、金融機関、官公庁・自治体、流通・小売といった各種の業界で利用されている。オフィスビルや工場における重要鍵の管理や組織の内部管理、車両予約システムとの連携といった使い方ができる。
両社はこれまで、セキュリティ関連の販売パートナーとして、ネットワークカメラやセキュリティゲートとの連携を推進してきた。今後は、顔認証・鍵管理サービスの事業化を契機に、製品連携をさらに強化する考えである。
背景として同社は、オフィス・ビルにおいて、電気錠、ICカードやスマートロック、生体認証などの普及によるキーレス化が進んでいる状況を挙げる。非常時の対応用としては、従来のシリンダー鍵などの物理的な鍵が使われ続けている。また、コストや利便性の点からキーレス化に適さない鍵も多く存在し、鍵の厳正な管理が求められていたという。