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[市場動向]

日立、米GlobalLogicを約1兆円で買収、IoTシステム構築に強みを持つ大手ベンダーを手中に

過去最大規模の大型買収で「Lumadaの世界展開」を目指す

2021年3月31日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

日立製作所は2021年3月31日、IoTエッジとクラウドをつなぐ製品およびシステム開発に強みを持つITベンダー、米グローバルロジック(GlobalLogic)を買収すると発表した。同日、買収に関する契約を締結した。買収総額は96億米ドル(約1兆368億円)で、買収後にグローバルロジックは日立の米国子会社である日立グローバルデジタルホールディングスの子会社になる。同年7月末までに買収を完了する予定である。

 日立製作所は、IoTシステム開発に強みを持つITベンダー、米グローバルロジック(GlobalLogic、本社:米カリフォルニア州サンノゼ)を買収する(表1)。日立が算定するグローバルロジックの資産価値は約95億米ドル(約1兆260億円)で買収額は約85億米ドル(約9180億円)。有利子負債返済を含む買収総額は96億米ドル(約1兆368億円)となる。買収資金の内訳として、手元資金が約2000億円、銀行借り入れと社債発行で約8000億円を調達する(関連記事日立が1兆円で買収する米グローバルロジックはどんな会社なのか?)。

 日立によると、グローバルロジックは医療、自動車、産業分野のシステム開発ノウハウがあり、IoTエッジの組み込みソフトウェアとクラウドをつなぐ技術に長けている。日立はこの買収によって、「Lumada」ブランドで展開するデジタル技術を活用したシステム製品とその構築事業を強化する。クラウドサービスだけで解決できる案件から、エッジ側で作り込む必要がある案件まで、各種のニーズに合わせたシステム構築サービスを、グローバルレベルで一気通貫で提供する体制を整えた。

 グローバルロジックは、ユーザーとの共創拠点となるデザインスタジオを世界に8カ所、現地で開発サービスを提供するアジャイル開発拠点を世界30カ所で運営し、顧客は400社以上に上る。買収により、日立がこれまで取り組んできたミッションクリティカルな基幹システムの受託開発に加えて、アジャイル開発やクラウドを活用した共創型のシステム開発へと事業を拡大する計画である(図1)。

図1:米GlobalLogicの買収によって、システムサービスのポートフォリオを拡大する。基幹システムの受託開発に加えて、IoTエッジ/クラウド系システムのアジャイル開発などをカバーする(出典:日立製作所)図1:グローバルロジックの買収で、システムサービスのポートフォリオを拡大する。基幹システムの受託開発に加えて、IoTエッジ/クラウド系システムのアジャイル開発などをカバーする(出典:日立製作所)
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 グローバルロジックの売上高は、2020年度(2021年3月期)見通しで約921百万米ドル。前期比で19.3%成長している。

 日立は同時に記者説明会を開き、グローバルロジックを買収する狙いを「Lumadaの世界展開のため」と説明。「サイバーとフィジカルをリアルタイムにつなぐミッションクリティカルIoTを武器に、社会や企業の経営課題を解決する。これをグローバルに拡大して社会イノベーション事業を成長させる。このためには、エッジの組み込みソフトウェアからクラウドまでを一体で提供する能力が必要不可欠だ」としている(関連記事「高値づかみ」の意見は承知の上? なぜ日立は1兆円で米グローバルロジックを買収したのか)。

表1:異動する子会社(存続会社:GlobalLogic Worldwide Holdings)の概要(出典:日立製作所)
名称 GlobalLogic Worldwide Holdings
本社所在地 米国カリフォルニア州サンノゼ
代表者 社長兼CEO シャシャンク・サマント氏
事業内容 フルライフサイクルの製品開発サービス、ユーザーエクスペリエンスの設計、プロダクトの設計、コンテンツエンジニアリング、プロダクトの研究、サステイニング・エンジニアリング、プロダクトエンジニアリング、プロダクトのテストと品質保証、およびプロダクトのリプラットフォーム化
設立年月日 2000年9月22日
資本金 15億5744万8000米ドル
大株主および持株比率 Canada Pension Plan Investment Board:約45%
Partners Group Holding AG:約45%
その他個人(GlobalLogic Worldwide Holdings経営陣など):約10%
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