エクストリーム-Dは2021年5月21日、同社がIaaSとして提供するスーパーコンピュータシステムに、富士通のスーパーコンピュータ「富岳」の商用版に相当する「PRIMEHPC FX700」を試験的に導入すると発表した。富岳用に開発されたディープラーニング(深層学習)向けライブラリの動作確認とベンチマークを実施する。
エクストリーム-Dは、AIを用いたデータ分析での活用を想定したスーパーコンピュータシステム「AXXE-L by XTREME-D」をIaaSのクラウドサービスとして運営している(関連記事:用途に合ったスパコン環境をクラウド上に10分で構築、エクストリーム-Dが年内提供)。汎用のx86サーバーをベアメタル構成で利用し、ユーザーの用途に合ったシステムを、テンプレートを用いて短時間で構築する。
特徴は、計算資源のハードウェア性能を高めていることである。まず、最大の特徴として、仮想サーバーではなく物理サーバーをベアメタル型で動作させている。個々の物理サーバーも、汎用計算に耐えられるように高性能なCPU(Xeon)を搭載し、高バンド幅で遅延が小さいサーバー間インターコネクト接続機構や、高速なSSDと不揮発性メモリーなどを利用している。
今回、AXXE-Lの計算資源として、富士通が開発したスーパーコンピュータで「富岳」の商用版に相当する「PRIMEHPC FX700」を試験的に導入する(関連記事:富士通、京後継「富岳」ベースの商用スパコン「PRIMEHPC FX1000」「同FX700」を販売、写真1)。富岳用に開発されたディープラーニング(深層学習)向けライブラリの動作確認とベンチマークを実施する。
エクストリーム-Dによると、同社の計算環境にx86系以外のCPUを導入するのは初めて。両社は、今回の検証実験を皮切りに、富士通が提供するスーパーコンピュータ製品の販売促進活動を共同で行っていく予定である。