デル・テクノロジーズは2021年6月3日、仮想環境のサーバー/ストレージ資源をサーバー機の台数を増やすことによって拡張できるHCIアプライアンス「Dell EMC VxRail」を刷新した。ベースとなるPCサーバーを新機種に刷新して性能を高めたほか、コンピューティング専用ノード「VxRailダイナミックノード」を新たに用意した。
HCI(ハイパーコンバージドインフラ)は、サーバー仮想化ソフト(ハイバーバイザ)と分散ストレージソフト(個々のサーバー機が内蔵するストレージを束ねて仮想的なストレージを構成するソフト)を組み合わせたアプライアンスサーバーである。このアプライアンスサーバーをスケールアウト型で増設することによって性能や容量を拡張できる。
デル・テクノロジーズは、HCIとして、米ヴイエムウェア(VMware)のミドルウェアを搭載した「Dell EMC VxRail」を提供している(写真1)。サーバー仮想化ソフトウェアとしてVMware vSphereを、分散ストレージ機能はvSphereのカーネルに組み込まれているVMware vSANを使う(関連記事:Dell EMC、サーバー仮想化基盤VxRailの全機能をvCenterで管理可能に)。
今回、Dell EMC VxRailを刷新した。ベースとなるPCサーバー「PowerEdge」を新機種に刷新して性能を高めたほか、コンピューティング専用ノード「VxRailダイナミックノード」を新たに用意した。VxRailダイナミックノードによって、コンピューティングとストレージを、それぞれ自由に拡張できるようになった。
VxRailダイナミックノードは、VxRailダイナミックノードだけでクラスタを組む必要があるが、VMware HCI Mesh機能を利用することで、通常のVxRailノードで構成した既存のクラスタのvSAN領域をストレージとして利用できる。これにより、システム全体ではストレージ容量を増やすことなくコンピューティング能力を向上させることができる。
VxRailダイナミックノードはまた、外部ストレージ(PowerStore、PowerMax、Unity XT)を接続する使い方もできる。外付ストレージ部分を拡張することによって、システムのコンピューティング性能を増やすことなく、ストレージ性能・容量を高められる。