NECソリューションイノベータは2021年6月9日、手先や身体の動きのジェスチャーを利用して非接触でアプリケーションを操作できるシステム製品「NEC ジェスチャーUIソリューション」を発表した。同日提供を開始した。価格(税別)は、10ライセンスで100万円から。初期導入費(距離センサー、3Dカメラ、システム構築費など)が別途必要。販売目標は、今後1年間で300ライセンス。
「NEC ジェスチャーUIソリューション」は、手先や身体の動きのジェスチャーを利用して非接触でアプリケーションを操作できるシステム製品である(写真1)。周辺機器は3Dカメラと距離センサーだけで済み、リモコンやヘッドセットなどの設備投資は不要である。
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3Dカメラで全身の骨格情報を取得し、身振りや挙動などのジェスチャーとキーボードやマウスなどの操作を対応させる。数センチメートルから数メートル程度離れた場所にある機器の入力操作をジェスチャーによって行える(図1)。操作者の移動や手袋の脱着といった手間が省ける。非接触で操作できるため、新型コロナウイルス感染症対策にも役立つ。
手を振るなど、いくつかのジェスチャーを標準で定義済みである。身体のジェスチャーについては、ユーザー自ら独自のジェスチャーを登録することも可能である。作業環境に合わせたジェスチャーを設定できる。
背景として同社は、大型加工機器の製造現場などにおいて、作業の効率化によって人手不足を解消するニーズが高まっている状況を挙げる。「例えば、大型の加工機器を制御するケースでは、作業場所と機器の操作場所が離れており、いったん作業を止めて作業員が移動して次の操作を行っていた。医療現場では、衛生環境を保つ必要がある手術室などにおいて、手袋を脱着せずに非接触で機器を操作する仕組みが求められていた」(同社)