インターネットイニシアティブ(IIJ)は2021年8月3日、Microsoft Azure環境の導入計画からシステム設計、構築、移行、運用管理までをトータルに支援するサービス「IIJクラウドインテグレーションソリューション for Microsoft Azure」を発表し、同日に提供を開始した。従来は個別対応していたSIサービスの内容を体系化して分かりやすくメニュー化している。同社は2020年7月に、AWSを対象とした同様のサービス「IIJクラウドインテグレーションソリューション for AWS」を提供している。
インターネットイニシアティブ(IIJ)の「IIJクラウドインテグレーションソリューション for Azure」は、Microsoft Azureを活用したシステムの導入計画支援から設計、構築、移行、運用までを統合的に支援するSIサービスである(図1)。システム構築などのSIサービスをワンストップでIIJにアウトソースできる。
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IIJは2020年7月に、AWSを対象とした同様のサービス「IIJクラウドインテグレーションソリューション for AWS」を提供している(関連記事:IIJ、AWSの導入SIサービスを開始、計画の立案からシステム構築、設定代行まで総合的に支援)。今回、Azureの需要を受けて、AWSと同様、AzureについてもSIサービスをメニュー化した。
IIJクラウドインテグレーションソリューション for Azureは、「導入計画支援」「インテグレーション」「移行」「運用管理」の4フェーズで構成する。
導入計画支援フェーズでは、ユーザーのシステム要件をヒアリングしながら、あるべきシステムを検討し、要件定義、設計、構築にあたっての導入計画の策定を支援する。また、クラウド移行計画の立案を支援するアセスメントを提供する。ユーザーにおける現在のIT環境を分析してクラウドに移行する上での課題を把握してコストを算出する。導入計画支援フェーズの費用(税別、以下同)は、1プロジェクトあたり30万円。
インテグレーションフェーズでは、セキュリティやパフォーマンス、コストの最適化を考慮した環境を構築する。また、ユーザー拠点とAzureを閉域網で接続する「IIJクラウドエクスチェンジサービス for Microsoft Azure ExpressRoute」と組み合わせたネットワークも設計・構築する。インテグレーションフェーズの費用は、Webシステム一式(Webサーバー、データベースサーバー、ロードバランサー構築、監視設定)を構築する場合で49万5000円。
移行フェーズでは、ユーザーへのヒアリングを基に、移行要件を整理し、移行プロジェクトを進める。移行後には、リソースの使用状況やセキュリティをチェックし、設定の見直しを行う「アフターケアパック」もオプションで提供する。移行フェーズの費用は、サーバー5台までのサーバーイメージ移行を含む移行作業で98万円。
運用管理フェーズでは、クラウドの運用管理の仕組みをテンプレート化し、自動監視、自動復旧、自動通知を実現する。より詳細な監視設定や運用管理を行いたいユーザーに向けては、システム監視や運用にかかる作業を自動化する「IIJ統合運用管理サービス(UOM)」と連携し、カスタマイズした詳細監視や手順書に基づいた障害対応の自動化サービスなどを提供する。また、サーバーの稼働状況を定期的にチェックし、パフォーマンスやコストを分析して今後の改善ポイントをレポートする「クラウド改善サポート」もオプションで提供する。
運用管理フェーズの費用は、既存のAzure環境にWebサーバー、データベースサーバー、ロードバランサーへの監視設定を追加する場合で36万円。