アイ・ティ・アール(ITR)は2021年10月21日、国内のデジタルアダプション製品における市場規模の推移と予測を発表した。2020年度の売上金額は2019年度の4倍にあたる4億円だった。参入ベンダーの増加とともに市場認知度が高まっており、2021年度の売上金額は2020年度の3倍に拡大するとITRは見込んでいる。CAGR(2020~2025年度)は58.5%、2025年度の市場規模は2020年度の10倍となる40億円に達するとITRは予測している。
アイ・ティ・アール(ITR)は、国内のデジタルアダプション(Digital Adoption)製品における市場規模の推移と予測を発表した(図1)。
ITRはデジタルアダプションを「企業が新たに使い始めた業務アプリケーションの定着を支援する製品・サービス」と定義。アプリケーションの使用状況を分析して操作上の問題点を洗い出す機能や、活用の定着を促すためのガイダンスやコンテンツを作成・表示する機能などを提供すると説明している。業務アプリケーションを導入したものの、使い勝手の悪さからエンドユーザーが使ってくれないという状況を解決するとしている(関連記事:テレワーク時のツール利用、47%が会社のサポートに不満─日経BPコンサルティング)。
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デジタルアダプション製品市場の2020年度の売上金額は、2019年度と比べて4倍にあたる4億円だった。「新たに市場が形成されたばかりで規模はまだ小さいものの、参入ベンダーの増加とともに急速に市場認知度が高まっている。これにより、2021年度の売上金額は、2020年度の3倍に拡大する」(ITR)。CAGR(2020~2025年度)は58.5%で、2025年度の市場規模は2020年度の10倍となる40億円に達するとITRは予測している。
「デジタルアダプション製品は、導入済みアプリケーションの既存機能に影響を与えることなくアドオンでき、ユーザーの利便性を高めて定着化を促進するツールとして注目を集めている。ユーザー企業のほか、SaaSベンダーによるUI/UXの改善を目的とした導入も見込まれ、今後はニーズがさらに高まる」(同社)。
今回の発表は、ITRが発行する市場調査レポート『ITR Market View:デジタル・アダプション市場2021』に詳細を掲載している。同レポートには、デジタルアダプション製品市場、マニュアル作成支援市場、FAQ作成管理市場、動画配信システム市場、Web社内報作成支援市場、の全5分野を対象に、国内全35ベンダーへの調査に基づいた2019~2020年度売上実績および2025年度までの売上予測を掲載している。