AI insideは2021年11月15日、AI-OCRサービス「DX Suite」を強化し、新たに「簡体字」を読み取れるようにしたと発表した。簡体字を扱う中国本土など、現地企業での利用を促進するとともに、グローバル企業における簡体字表記の請求書処理など活用機会を拡大する。
AI insideの「DX Suite」は、クラウド型AI-OCR(光学文字認識)サービスである。ディープラーニング(深層学習)による画像認識技術と、文章の前後関係を判定する自然言語解析を組み合わせている。手書きの文字を認識できるほか、読み取り時のズレや罫線などを含んだ画像も認識できる。大量の帳票を同一フォーマットごとに仕分ける機能も備えている(関連記事:AI-OCR「DX Suite」が2022年度の給与支払報告書を読み取り可能に)。
今回の機能強化では、中国本土やシンガポール、マレーシアで使う「簡体字」を読み取れるようにした(図1)。これにより、簡体字を使う各国現地企業でのAI-OCR活用を推進する。また、日系のグローバル企業においては、これまで読み取れていた英語・繁体字・タイ語・ベトナム語に加えて、簡体字表記の請求書などを読み取れるようになった。
簡体字帳票の活用例として、AI insideは、中国国内での物品の購入や輸入時に適用になる「増値税」を挙げている。中国でビジネスを行う企業に納税義務が発生する。中国税務局に増値税を報告する帳票として「増値税インボイス」が必要になるが、同帳票は簡体字で記載されている。「直近では電子化の対応も進んでいる一方で、まだ紙帳票が残っている状況」(同社)という。