NTTイーアジアは2021年12月6日、AIに学習させるための教師データを作成するアノテーションサービスを開始すると発表した。ベトナムのIT系子会社であるOCG Technologyを通じて、ベトナムの技術者がアノテーション作業を実施する。NTTイーアジアによると、教師データ作成コストを同社の従来の仕組みと比べて30~50%削減を図るとしている。
NTTイーアジアは、NTT東日本の子会社で、ベトナムおよび周辺国の電気通信事業やSIサービス事業を提供している。同社は、AIに学習させるための教師データを作成するアノテーションサービスを開始する。
ベトナムのIT系子会社であるOCG Technologyを通じて、ベトナムの技術者がアノテーション作業を実施する。NTTイーアジアによると、教師データ作成コストを同社の従来の仕組みと比べて30~50%削減(NTTイーアジア比)を図るとしている。
ユーザー企業は、サービスの利用にあたって、NTTイーアジアにアノテーション用の画像データを渡す。アノテーションはベトナム人オペレーターが実施する。矩形で対象物を囲って物体を識別する作業や、対象物ごとに領域分割を行うセグメンテーションなどを実施する。オペレーター相互のクロスチェックと日本人スタッフによる最終確認の後、ユーザーが指定したフォーマットで納品する(写真1)。
今後は、アノテーションだけでなく、ベトナムのエンジニアとともに、AIエンジンそのものの開発を日本よりも低コストで提供する予定である。
サービス提供の背景について同社は、AIの需要が高まっている一方で、学習のための教師データを用意する負荷が高いことを挙げる。「教師データの作成には、画像などのデータに意味付けを行うアノテーション作業が必要である。このアノテーション作業に、多くの人手が必要になっている」(同社)。
「例えば、AIにペンを覚え込ませる場合、画像の中から人間がペンの位置を指定し、AIに『この形状のものはペンである』ことを覚え込ませる必要がある。ペンの形状にはさまざまななものがあるほか、見る角度によって見え方も異なるため、精度の高いAIを作成するには、できるだけ多くの教師データを提供する必要がある」(同社)。