ジェーシービー(JCB)は2022年7月21日、同社のインフォメーションデスクに、IBM Watsonを活用した対話型の自動音声応答システム「AIオペレーター」を導入すると発表した。顧客満足度やサービス品質の向上を狙う。用件を特定しない総合インフォメーションデスクに対話型AIを適用するのは、クレジットカード業界では先進的な取り組みだとしている。
ジェーシービー(JCB)は、同社のインフォメーションデスクに、日本IBMの「IBM Watson」を活用した対話型の自動音声応答システム「AIオペレーター」を導入する。当面は一部の回線で導入し、実際に顧客と対話することでAIの精度を高めたうえで、年間190万件の電話を対象に順次拡大する。用件を特定しない総合インフォメーションデスクに対話型AIを導入するのは、クレジットカード業界では先進的な取り組みだとしている。
AIオペレーターは、音声認識技術と自然言語処理(意図理解)、合成音声技術を組み合わせた対話型音声応答システムである。顧客が発する音声による自然言語をAIで分析し、その場で音声で回答したり、適切なオペレーターへと自動的に引き継いだり、といった運用が可能である。
IBM Watsonに備わる3つの機能を活用する。音声のテキスト変換「Watson Speech to Text」、テキスト分析からの回答「Watson Assistant」、応答テキストの音声変換「Watson Text to Speech」である。これらにより、顧客からの電話での問い合わせに対して、音声による自然な会話が可能になる。
顧客がJCBに電話をかけた際、従来の自動音声応答システム(IVR)で必要だったメニュー番号選択の操作ではなく、AIオペレーターとの自然な会話から、適切な専門デスクのオペレーターや自動完結IVRに素早く振り分ける。オペレーターに繋がるまでの待ち時間が大幅に短くなるとともに、着信後のオペレーター間での転送を回避することで顧客のストレスが減る。