ノークリサーチは2022年12月19日、調査レポート「2022年版中堅・中小企業におけるRPAおよびノーコード/ローコード開発ツールの活用実態レポート」の概要を発表した。同レポートでは、ローコード/ノーコード開発ツールへの導入意欲や用途、考える利点や課題を問うことで、中堅・中小企業の活用実態を明らかにしている。
中堅・中小企業のIT動向調査を主とするノークリサーチが、ローコード/ノーコード開発ツールの活用実態に関する調査を行った。調査期間は2022年7月~8月で、調査対象は国内・全業種の年商500億円未満の中堅・中小企業1300社で、自社情報システムの導入・運用・管理または製品・サービスの選定・決済の権限を有する責任者である。
市場の背景について同社は次のように説明する。「中堅・中小企業においても多様な業務アプリケーションが導入される一方で、人による手作業が残っている、既存システムでカバーできない隙間の業務がある、レガシー化した資産や業務システムを素早く刷新/再構築できないといった課題を抱えるユーザー企業も少なくない。こうした課題を解決する手段として、RPAとノーコード/ローコード開発ツールが注目を集めている」。
未導入企業が障壁ととらえる「ユーザー自身のアプリケーション開発」
図1は、ノークリサーチがローコード/ノーコード開発ツールの利点として示した16項目の中から5項目を抜粋し、回答企業におけるツールの導入状況別(導入済み/導入予定)に集計したグラフである。
導入済み企業と導入予定企業で最も差がついたのは、「ユーザーがアプリケーションを作成できる」利点である。ノークリサーチは、業務システムの構築・利用にあたっては、コーディング以外にも要件定義、設計、管理/運用などの作業が不可欠であり、それらすべてをユーザー企業が自社で担うことが難しいことを挙げ、ローコード/ノーコード開発を未導入の企業の多くは、このことを踏まえて、利点を疑問視した可能性を指摘している。
一方で、「ユーザーの要求仕様を自由に反映できる」「ユーザーの都合に合わせて改変できる」は、導入済み/導入予定とも3割超が利点ととらえている。また、「セキュリティ対策の負担が軽減される」「アプリケーションの不具合を減らせる」は、導入済み/導入予定とも利点に挙げる企業が少なかったが、ノークリサーチはその増減比較から、今後増加が予想されるとしている。
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小規模企業の4割近くが「ユーザー自身のアプリケーション開発」を利点に
図2は、「ユーザーがアプリケーションを作成できる」「ユーザーの要求仕様を自由に反映できる」「ユーザーの都合に合わせて改変できる」の3つの利点に対する導入予定企業の回答率を年商規模別に集計したグラフである。
グラフを見ると、年商5億円未満である小規模企業の4割近くが「ユーザーがアプリケーションを作成できる」を利点ととらえている。この結果にノークリサーチは、「業務全体やデータの整合性を無視してアプリケーションが乱立する状況は避けなければならない」と注意を添えている。
また、「ユーザーの要求仕様を自由に反映できる」は、他の2つの利点と比較して年商規模による差が小さくなっている。
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