ANA Digital Gate、全日空商事、ANA FESTA、日立製作所の4社は2023年3月29日、空港内ギフトショップ「ANA FESTA」の対象店舗(11空港20店舗)において、来店時にマイルが貯まる「顔認証スタンプラリー」の実証実験を開始した。実証実験のサービス基盤には、日立の特許技術「PBI」を活用している。顔情報を復元不可能な形に暗号化することで、顔情報の漏洩の心配がない生体認証を実現した。
ANA Digital Gate、全日空商事、ANA FESTA、日立製作所の4社は、空港内ギフトショップ「ANA FESTA」の対象店舗(11空港20店舗)において、来店時にマイルが貯まる「顔認証スタンプラリー」の実証実験を2023年3月29日に開始した(図1)。実証実験のサービス基盤には、日立の特許技術「PBI」を活用している。顔情報を復元不可能な形に暗号化することで、顔情報の漏洩の心配がない生体認証を実現した。
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実証実験のこれまでの取り組みとして、ANA Digital Gateと日立は、2022年7月4日~11月20日にかけて、北海道のゴルフ場において「指静脈スマートチェックイン」の実証実験を行った。今回は、ANAグループでリテール戦略を推進している全日空商事が全体戦略立案として加わり、実証実験の場をANA FESTAに移し、「顔認証スタンプラリー」を開始した。マーケティング活動における有用性と広告媒体としての価値を検証する。
空港内ギフトショップのANA FESTAでは、2021年8月27日に開店した無人決済店舗「ANA FESTA GO羽田B1フロア店(呼称:エイエヌエー フェスタ ゴー)」を始め、各種の取り組みを行ってきた。今回、新たな取り組みとして、顧客が来店した際にマイルが貯まる「顔認証スタンプラリー」の実証実験を開始した。
顔認証スタンプラリーの参加者は、自身のカメラ付きデバイス(タブレット、スマートフォン)を使って、参加者情報(氏名・メールアドレスなど)と顔情報を、専用サイトに事前登録する。その後、対象店舗に設置したタブレット端末で顔認証(来店チェックイン)することでANAのマイルが貯まり、ANA FESTAでのお土産情報などを入手する。顔認証(来店チェックイン)の回数に応じてボーナスマイルも貯められる。
なお、顔情報については、生体情報を復元できない形に暗号化する日立の独自技術「PBI」を使う。端末やクラウド上に顔情報を保管しないため、生体情報が漏洩してなりすましに悪用される恐れがない。今回の実証実験は、パナソニック コネクトの顔認証と日立のPBIを組み合わせた初の取り組みとなる(関連記事:日立とパナソニック、顔認証のユースケース拡大で協業、公開型生体認証基盤「PBI」を利用)。