セールスフォース・ジャパンは2024年1月17日、SFA(営業支援)/CRM(顧客関係管理)クラウドサービス「Salesforce Sales Cloud」において、生成AIを活用した営業支援機能を提供すると発表した。同年2月14日に、営業メールの自動生成機能、通話内容要約機能などを提供する。以前よりAIを使って売上などを予測する機能を備えていたが、生成AIが新たに実装された。
セールスフォース・ジャパンの「Salesforce Sales Cloud」は、SFA(営業支援)/CRM(顧客関係管理)クラウドサービスである。営業担当者が必要とする顧客管理、案件管理、売上予測、承認ワークフローなどの機能群を提供する。
以前より、AIを使って売上などを予測する機能を使えていたが、今回、生成AIを活用した営業支援機能を追加した(関連記事:セールスフォースが営業支援クラウドのSales Cloudを強化、各商談の売上額をAIが予測)。
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生成AIを活用した営業支援機能として、2024年2月14日に3つの機能を提供する(図1)。「セールスメール(Sales Emails)」「通話サマリー(Call Summaries)」「通話探索(Call Exploration)」である。
セールスメール(Sales Emails)は、メールの目的に応じて必要な営業メールを自動生成する機能。営業担当者の自己紹介、打ち合わせ日程の決定、フォローアップのための連絡など設定済みの目的をメニューから選択するとCRMのデータから目的に合致したメールを数秒で生成する。以下の5種類の目的をプリセットしている。
- チェックイン:挨拶をして、受信者の状況を尋ねるための短いメール
- 自己紹介:営業担当を紹介し、短いミーティングを提案するメール
- フォローアップの促し:受信者の状況を確認し、以前のメールを思い出してもらうためのフォローアップ
- 再連絡:受信者の状況を尋ね、連携することのメリットについて説明し、短いミーティングを提案するメール
- ミーティング招待の送信:商品・サービスの利点の説明やミーティングに受信者を招待するためのメール
通話サマリー(Call Summaries)は、通話記録をテキストに起こし、そこから要点を簡潔にまとめる。商談のポイントや顧客センチメント(感情)、次のステップを特定し、営業担当者がスムーズに商談を進められるように支援する。要点を編集してSlackまたはメールで共有することで、部門をまたいで案件を連携させることができる。
通話探索(Call Exploration)は、CRMで管理されている顧客との通話音声/ビデオ通話を対象に、自然文での検索や通話内容の要約を可能にする。
米セールスフォースのシニアバイスプレジデントでSales Cloudの製品開発を担当するマリーアン・パテル(MaryAnn Patel)氏(写真1)は、営業担当者の現状について「営業以外の活動に費やしている時間が以前の60%から72%に増えている」と指摘。Sales Cloudに備わる予測AIや生成AIを活用することで、営業効率を高められるとアピールした。