医薬品卸のスズケン(本社:愛知県名古屋市)は2024年2月20日、同年4月稼働予定の複合型物流拠点「首都圏物流センター」の卸物流エリアに、NECの「協調搬送ロボットサービス」を導入したと発表した。障害物を避けた運搬経路を自動で検索する搬送ロボットが倉庫内の長距離搬送業務を自動化する。作業員のサポートなしで安定的に自動搬送できるようになるという。
医薬品卸のスズケンは、2024年4月稼働予定の複合型物流拠点「首都圏物流センター」の卸物流エリアに、NECの「協調搬送ロボットサービス」を導入した。
2台の搬送ロボットがセットとなり、ユニットロード(カゴ車、平台車などの荷物搬送機器)を挟み込む形で搬送し、倉庫内の長距離搬送業務を自動化する。搬送ロボットは障害物を避けた運搬経路を自動検索して稼働し、作業員のサポートなしで安定的に自動搬送できる(写真1)。
搬送ロボットサービスでは、倉庫の天井部に設置したカメラとセンサーから得られる情報を使って、複数のロボットを一括して制御する。最適な運搬経路を自動検索して運搬することで、人や物との接触事故リスクを軽減する(動画1)。物量の増加に合わせた庫内レイアウトの変更やロボットの増設などにも容易に対応できるという(関連記事:「協調搬送ロボット」が働く次世代型大規模物流センター─SGホールディングスとNECが実証実験)。
スズケンは、物流に携わる人材の慢性的な不足、物量の増大や搬送形態の多様化への対応が喫緊の課題となる中で、物流精度と業務効率性の両立を目的に協調搬送ロボットサービスを導入した。
「作業員は、搬送業務にかかる時間を、高度な品質精度が要求される業務にシフトできるようになる。また、出荷業務における搬送作業の効率化や、搬送に関わる人の確保などにかかるコストを削減する」(同社)。