[新製品・サービス]
システム連携ツールのMuleSoft、「DB上の顧客情報を参照するAPI」などを生成AIで開発可能に
2024年8月1日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)
セールスフォース・ジャパンは2024年8月1日、データ/システム連携プラットフォーム「MuleSoft」のロードマップを発表した。説明会では、主にAI関連の新機能を説明した。その1つが、現在ベータ版を提供中の「Einstein for Anypoint Code Builder」で、「データベースから顧客情報を参照するAPI」などを、プロンプトへの指示によって開発可能である。
セールスフォース・ジャパンの「MuleSoft」は、システム同士をAPIを介してシステムやデータを連携させるためのソフトウェアプラットフォームである。連携APIを設計、開発、運用するためのAPI管理機能を提供する(図1)。
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APIを組み合わせて業務フローを設計し、自動で実行する機能を持つ。外部データベースを参照した結果をトリガーに自動化アクションを実行するといったことが可能である。APIを使わずにアプリケーションのGUI操作を自動化するRPA機能も提供する。
すでに、AIサービス「Salesforce Einstein」を使った機能など、いくつかの新機能を発表している。MuleSoft内で生成AIを活用して開発生産性を高めるアプローチの1つが「Einstein for Anypoint Code Builder」である。「データベースから顧客情報を参照するAPI」などをプロンプトへの指示によって開発できる。現在ベータ版を提供している(図2)。
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「Intelligent Document Processing(IDP)」は、AI-OCR(光学文字認識)である。PDF文書ファイルなどの非構造化データからテキスト情報を抽出して活用できるようにする。すでに提供を開始している。2024年第4四半期には、OCRで読み取ったデータを生成AIを活用して分類・要約する機能「Einstein for IDP」をリリースする(図3)。
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SalesforceのAIアシスタント「Einstein Copilot」からMuleSoftのAPIを呼び出す「MuleSoft APIs in Copilot」を2024年第3四半期にリリースする。Salesforce CRM内部のデータ処理に加えて、MuleSoftのAPIを通じて外部のアクションにつなげられる。SAPのERPと連携して返金処理を実行するといったことも可能である(図4)。
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説明会では、ユーザー事例として米Uber Eats(ウーバーイーツ)を紹介した。レストランから受け取った返金処理依頼を処理するワークフローをMuleSoftで自動化している(図5)。
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