アイ・ティ・アール(ITR)は2024年8月8日、国内チャットボット市場における規模の推移と予測を発表した。2023年度の売上金額は前年度比16.5%増の111億8000万円だった。2024年度は同19.0%増と2023年度を上回る伸びを見込む。CAGR(2023~2028年度)は15.5%で、2028年度は230億円規模になると見積もっている。
アイ・ティ・アール(ITR)は、国内チャットボット市場における規模の推移と予測を発表した。調査にあたって、チャットボットを「チャットによるリアルタイムコミュニケーションの自動化を支援する製品・サービス」と定義している。また、AIエンジンのAPIのみの提供形態は対象外とし、有人サービスと組み合わせた提供形態は、チャットボット部分の売上額をITRが推計している。
2023年度の売上金額は前年度比16.5%増の111億8000万円だった。2024年度は同19.0%増と2023年度を上回る伸びを見込む。CAGR(2023~2028年度)は15.5%で、2028年度は230億円規模になると見積もっている(図1)。
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「人手不足の業務を効率化するニーズや、カスタマーサポートを強化するニーズが高まっている。一方、チャットボット製品・サービスは、自然言語処理技術の進歩によって品質と応答能力が向上しているほか、ChatGPTなど生成AIとの連携も拡大している。こうした中、企業においてチャットボット製品・サービスの導入が進んでいる」(ITR)
ITR プリンシパル・アナリストの三浦竜樹氏は、生成AIの業務活用への理解が急速に高まる中で、AIと連携したチャットボットサービスの活用範囲が広がっていることを指摘。特に、FAQとしてデータベース化していない質問に対し、各種文書(マニュアル、データの集計表など)を利用した回答が可能になったことは、同市場の最も大きな成長要因の1つになっているという。「今後も、顧客が撮影・送信した画像を判断・回答するなど、AIチャットボットのさらなる機能の拡張と市場拡大が期待できる」(三浦氏)。
今回の発表は、市場調査レポート「ITR Market View:対話型AI・機械学習プラットフォーム市場2024」に基づく。同レポートは、テキストマイニング/ナレッジ活用、翻訳、検索・探索、機械学習プラットフォーム、チャットボット、ボイスボット、対話型AIエンジン、FAQ作成管理の全8市場を対象に、国内82ベンダーへの調査から2022~2023年度売上実績および2028年度までの売上予測を掲載している。