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[調査・レポート]

拡大が続くデジタルマーケティング市場、AIが後押しして2024年は3443億円規模に─矢野経済研究所

デジタルマーケティングツールの生成AI機能が進展

2024年8月23日(金)IT Leaders編集部

矢野経済研究所は2024年8月22日、国内のデジタルマーケティング市場の調査結果を発表した。2024年の市場規模は前年比114.0%の3442億5000万円を見込む。関連ツールのうち、CRM/SFA、MAは中小企業による活用が増加傾向にある。ツールの導入が進み、ユーザー企業内に各種データが蓄積されていることや、AIの学習ソースとして社内データの重要性が高まっていることなどが市場の追い風になっている。

 矢野経済研究所は、国内のデジタルマーケティング市場の調査を実施した。調査期間は2024年4月~7月で、CRM(顧客関係管理)、SFA(営業支援)、MA(マーケティング自動化)、CDP(顧客データ基盤)などを対象製品・サービスとした。調査方法は専門研究員によるベンダーへの直接面談(オンライン含む)と、一部電話やメールによる調査、文献調査などを併用した。

 2023年の市場規模を、事業者売上高ベースで3019億9000万円と推計し、2024年は前年比114.0%の3442億5000万円と見込む(図1)。

図1: デジタルマーケティング市場におけり規模の推移と予測(出典:矢野経済研究所)
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 同社によると、デジタルマーケティングツールとして利用されるCRM/SFA、MAについては、大手企業のみならず中小企業による活用が増加傾向にあり、導入するユーザー企業の層が拡大しているという。「大企業が大規模な投資をするケースは少なくないが、未開拓層を中心に今後も市場は拡大していく。特にCDPに関しては成長期となっている」(同社)。

 また、CRM/SFAやMAなどの導入が進んだことで、ユーザー企業内に各種データが蓄積されていることや、AIの学習ソースとして社内データの重要性が高まっていることなどが市場の追い風になっているという。

 注目トピックとして、デジタルマーケティングと生成AIの相性の良さを挙げている。「デジタルマーケティングでは、オウンドメディアにおいてブログやメルマガなど大量のコンテンツを作成する。ここで生成AIが業務の助けになる。デジタルマーケティングツールに備わる生成AI機能も、メール文面支援などのコンテンツ生成が中心である」(同社)。

 同社は生成AIのビジネス活用の進展について、「利用社数の多いChatGPTでも、具体的な活用方法はユーザーが検討しなければならない。実際のビジネスにでの活用イメージが湧きにくいことが活用の課題になっている」という見解を示している。

 そのうえで、デジタルマーケティングツールは、生成AI機能を組み込むことで、ユーザーの負担軽減に努めているという。「プロンプトテンプレートを用意することで、プロンプト(指示文)の作成が容易で、議事録作成などの要約も数クリックで行える利用できるようになっている」(同社)。

 矢野経済研究所は、デジタルマーケティング市場が今後も拡大していくと見ている。「短期的には、ユーザー層拡大の影響が大きい。これまで大手企業が中心だったデジタルマーケティングツールを、中小企業でも導入するようになった。地方企業におけるデジタル化も進んでいる」(同社)。

 中長期的には、生成AIとデータ活用が重要であるという。「2023年以降、全産業で生成AIの活用が進んでいる。なかでもデジタルマーケティングは生成AIの活用が進む市場の1つで、情報感度の高い企業が検証を始めている。その成果や事例を共有することで、活用に着手する企業が増えていく」(同社)。

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