[新製品・サービス]

出張・経費管理クラウド「SAP Concur」にAI新機能、不正な経費申請の検出など

2024年9月17日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

コンカーは2024年9月17日、経費精算クラウドサービス「Concur Expense」などの同社製品群の新機能を発表した。不正な経費申請を検出する機能など、AIを活用した機能を追加し、2024年後半から2025年春にかけてリリースする。

 コンカーは、経費精算の「Concur Expense」、出張管理の「Concur Travel」、請求書管理の「Concur Invoice」の3つのクラウドサービス(SaaS)を提供している。2024年後半から2025年春にかけて、AIを活用した新機能を追加する(図1)。

図1:SAP Concur 3製品に搭載するAI新機能の概要(出典:コンカー)
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 経費精算のConcur Expenseは、「領収書から経費精算書を作成し、上長の承認を受け、経理部門が処理する」という一連の経費精算プロセスを支援する。外部サービスから交通費などの決済データを取り込む機能に注力している。

 AIを活用した新機能として、不正な経費申請を検知する「Verufy」機能を2025年春にリリースする。大量のデータで学習済みのAIが申請内容をチェックする。経理担当者による手動のチェックと合わせて不正を防ぐ。チェック内容の例として、領収書の重複、偽りの領収書、不適切な加盟店、グリーン車の利用、ホテルにおける各種オプションの利用、市場平均価格との比較などを挙げている。

 加えて、既存機能の強化・改善として、出張事前申請における概算金額(航空機やホテルの市場平均価格など)を自動で見積もる「Request Assistant」機能を2025年にアップデートし、会社の規定や過去の履歴を反映した見積もりを可能にする予定である。

 出張管理のConcur Travelは、企業の出張規程に即した航空券とホテルのオンライン手配を可能にする。2025年内に、SAPの生成AIアシスタント「Joule(ジュール)」に対応し、対話型で出張を手配できるようにする。コンカーによると、Joule対応はConcur Travelが先行し、以後、他のサービスでも対応するという。

 請求書管理のConcur Invoiceは、経理部門による請求書関連業務を効率化する。請求書の入力作業をAI-OCR(光学文字認識)で省力化し、請求書データの集中管理の下で規程チェックを自動化する。AI-OCR機能はこれまで他社サービスとの連携によって実現していたが、2024年内に標準機能として提供する。(関連記事コンカー、請求書を「Concur Invoice」に自動で取り込めるAI-OCR機能を提供)。

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