[市場動向]

NEC、NECネッツエスアイの完全子会社化に向けて公開買付けを開始

2024年10月31日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

NECは2024年10月29日、上場子会社のNECネッツエスアイを完全子会社化すると発表した。普通株式の約5割を公開買付け(TOB)により取得する。買収額は約2354億円。NECネッツエスアイはネットワーク領域を中心としたSIサービスを提供している。同社の株式を非公開化することで、株主間の構造的な利益相反の解消を図り、NECグループの経営資源を迅速・柔軟に相互活用できる体制を整える。

 NECは、上場子会社のNECネッツエスアイを完全子会社化する。2024年10月29日時点で株式の51.36%を実質的に所有しているが、残りの全株式を公開買付け(TOB:Takeover Bid)により取得する。買付け期間は2024年10月30日から12月11日まで(30営業日)で、取得できなかった株式はスクイーズアウト手続きで強制的に取得する。

 1株あたりの価格は3250円で、公開買付け公表日の前営業日である10月28日の終値2675円に対するプレミアム率は21.50%である。トータルの買収額は2354億9875万3750円(3250円×7246万1155株)を想定する。

 NECネッツエスアイは、1953(昭和28)年にNECの電話工事部門からの独立で設立されたNECグループのシステムインテグレーター(SIer)。企業、通信事業者、官庁・自治体、社会インフラ事業者などにネットワークやコミュニケーション分野を中心としたSIサービスを提供している。社名の「ネッツ」はNetworksの、「エスアイ」はシステムインテグレーションの略語である。2023年に設立70周年を迎えた(関連記事NECネッツエスアイの記事一覧)。

 NECによると、NECネッツエスアイの完全子会社化には、ネットワーク関連ITサービス市場の継続的な成長が見込まれる中、競争優位性の維持と持続的な成長のためにはNECグループの経営資源の積極的な活用が必須との考えの下、株式の非公開化によって株主間の利益相反の解消を図る狙いがあるという。

 NECネッツエスアイの株式非公開化後、NECは、同社が完全子会社として設立予定の中間持株会社にNECネッツエスアイとNECネクサソリューションズの全株式を移管することを検討している。また、NECの消防防災事業をNECネッツエスアイに、NECの中堅中小企業向け事業をNECネクサソリューションズに承継する。

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