[事例ニュース]
オリックス生命、コンタクトセンター改善にSAFe準拠のアジャイル計画ツール「IBM Targetprocess」を導入
2025年9月30日(火)IT Leaders編集部、日川 佳三
オリックス生命保険(本社:東京都千代田区)は、コンタクトセンター機能を継続的に改善するアジャイル計画ツール「IBM Targetprocess」を2025年1月から利用している。2024年にオンプレミスからSaaSのコンタクトセンターシステムに移行し、今回、Targetprocessの導入によってアジャイル開発体制の強化を図っている。日本IBMが2025年9月26日に発表した。
オリックス生命保険にとって、コンタクトセンターは重要な顧客接点であり、その運用基盤に投資を重ねてきた。2024年に長年利用してきたオンプレミスのコンタクトセンターシステムのサービス終了に伴い、SaaSのシステムに移行。その際、アジャイル開発のフレームワーク「SAFe(Scaled Agile Framework、注1)」を採用し、それに準拠したアジャイル開発管理ツールを内製開発している。
注1:SAFe(Scaled Agile Framework)は、米Scaled Agileが開発した、アジャイル開発を組織全体で展開し、変化に迅速に対応するアジリティを高めるためのフレームワーク。単一のチームだけでなく、複数のチームや部門、組織全体がアジャイルの原則に基づいて連携し、ビジネス価値を継続的に提供することを目的としている。
2025年1月に、大規模なアジャイル開発体制を強化するため、そのプランニングを支援するSaaS「IBM Targetprocess」を導入した。SAFeに準拠しており、企業全体の戦略策定、ビジネスの成果に合わせた開発リソースの計画や調整、プロジェクトやプロダクト開発の進捗管理などを支援する。
オリックス生命は、Targetprocessに備わる「ART Planning Board」(画面1)の視認性と操作性を評価している。複数のアジャイルチームが2週間単位のイテレーションで作業する際、各チームの作業内容と依存関係を時系列で可視化。カンバン形式の画面で、どのチームが、いつ、何を実施し、どのタスクが他チームの作業に依存しているかを把握しやすい。

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加えて、リーンポートフォリオ管理や、OKR(Objectives and Key Results:目標と主要な結果)との連携も評価している。Targetprocessでは、ポートフォリオへの投資を短期・中期・長期の視点および時間軸で整理する。戦略的な目標に沿って、投資の時間軸に基づく予算ガードレールを可視化して組織内で共有できる(画面2)。
OKRとの連携については、将来のOKR設定を見据えて、日々の開発業務と組織の優先課題を関連づけて、目標達成に対する予算とリソースの貢献度を可視化する(画面3)。

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現在、オリックス生命は、Targetprocessで管理するポートフォリオ全体のロードマップを起点に、各チーム間で依存関係や進捗を共有している。「各チームやメンバーがインタラクティブに調整することで、計画変更が生じた際にも現場が納得感を持って迅速に対応できる体制を整えた」としている。