みずほ情報総研は2009年12月16日、市販のグラフィックスカードを汎用的な浮動小数点演算アクセラレータとして利用するGPUコンピューティングのSIサービス「解析プログラム高速化ソリューション」の提供を開始した。顧客(研究機関など)の解析プログラムをGPUに対応させる。価格は、最も小規模な案件の場合で調査に50万円、実装に50万円程度から。
解析プログラムのソースコードを改変してGPUに対応させるSIサービスである。GPUにより、並列処理の処理性能が飛躍的に向上する。サービスは、GPUの効果を事前に調査するフェーズと、実装フェーズで構成。実装方法としては、プログラム全体をGPUに適した構造にプログラミングし直す全体高速化と、計算負荷の高い部分を特定してGPUを利用する処理を組み込む部分高速化の2パターンを想定する。
GPUには、米NVIDIAの市販グラフィックス・カードを使い、同社のGPUコンピューティング用ドライバ/SDK/ライブラリ群であるCUDAを利用する。高速化の具体例としては、みずほ情報総研が物理シミュレーションや線形代数の計算に適用したところ、GPUにNVIDIA GeForce GTX285を用いた場合、GPUを使わない場合と比べて17~38倍の高速化を実現できたという。
なお、GPUは、多数の浮動小数点演算コアを備えたアクセラレータである。カード1枚あたりの処理能力はTFLOPS級。従来は3次元グラフィックス処理(Direct XやOpenGL)に特化した専用のハードウェアだったが、近年のGPUは演算コアを汎用的な浮動小数点演算用途に利用できるようになっており、並列処理プログラミング用のツールキットが提供されている。こうした汎用的なGPU利用はGPGPUと呼ばれ、大量のGPUを採用したスーパーコンピュータも登場している。