日本IBMは2010年4月14日、LTO-4に比べ約2倍の容量(圧縮時3TB)を備え、転送速度が最大280MB/秒(圧縮時)と約15%向上した第5世代LTO規格(LTO-5)対応のテープドライブ製品「IBM System Storage TS1050」の提供を開始した。
同製品は、同社の大容量テープライブラリー装置「IBM System Storage TS3500」に搭載可能なテープドライブで、LTO-5に準拠するとともに、以下のような特徴を備えている。
- 低電力モードを備え、アイドル時の消費電力を従来の約48%(同社比)に抑えることが可能。
- サーバーとのデータ転送速度の変化に合わせてドライブ内のデータ転送速度を14段階で動的に変更できる。
- 内蔵のデータバッファを活用することで、1GBのファイルの読み込み時間を8秒以下にすることが可能。
- データ転送速度:最大280MB/秒(2:1圧縮時)、8GB/秒デュアルポートファイバーチャネル接続
また、テープライブラリー製品「IBM System Storage TS3500」は、同LTO-5テープドライブとLTO-5データカートリッジを使用することで、従来の約2倍となる最大30PB(ペタバイト)のデータを保管できる。
同社では、今回発表のテープドライブによって、LTO-5に準拠したテープ製品のラインアップを拡充し、1.5TBから30PBまで、顧客のテープシステムに必要なデータ量に応じて最適なモデルを提供できるよう支援する。
「IBM System Storage TS1050テープ・ドライブ」の価格は、352万円(税別)。4月16日から出荷開始予定で、保証は1年(オンサイト修理)。「IBM System Storage TS3500」は3,000万円(TS1050を4台内蔵、物理容量430TBの場合)から。
なお同社ですでに提供しているエントリー向けテープドライブ「IBM System Storage TS2250」および「IBM System Storage TS2350」は、DVD-Rなどの他の外部記憶装置と同様に、アプリケーションから直接ファイルの読み書きができるファイルシステムソフトウェア「IBM Long Term File System」に対応している。
LTO-5テープが提供する大容量とデータ転送速度、「IBM Long Term File System」を組み合わせることにより、従来ビデオファイル搬送や保管などで使用されていたポータブルHDDやDVD-RなどをLTO-5テープに置き換えることができるため、同社では、メディア業界やエンターテイメント業界、テープ上に長期に大量のデータを保存する必要のある銀行や科学研究、政府機関などに向けたソリューションになるとしている。